2004年05月09日(日) |
生麦中、鶴見決戦制す! |
横浜市春季中学野球大会の準決勝・決勝が9日、横浜スタジアムで行なわれ、横浜市立生麦中が初優勝を飾った。この優勝により、生麦中は第21回全日本少年軟式野球大会の出場権を獲得。創部初の全国切符を掴んだ。
上の宮中 0000000 | 0 生麦中 004001/ | 5
閉会式終了後、上の宮中の梅田先生が生麦中の新庄先生のもとに歩み寄った。 「悔しいです。県大会で絶対もう一度やりましょうよ!」 上の宮中と生麦中は、ともに鶴見区にある中学。今年3月の鶴見区大会決勝でも両チームは対戦しており、そのときも生麦中が勝ち優勝を飾った。梅田先生にとっては、リベンジをかけた今日の決勝だったが、3回裏に出た外野手のタイムリーエラーが最後まで響き、敗戦を喫した。
それでも今大会の戦いぶりは見事だった。準々決勝では優勝候補の桐蔭学園中を6−1で、準決勝でも好投手・堀内を擁した橘中を1−0で下し、春の県大会出場を決めた(横浜ブロックは上位2校が出場できる)。 特に光っていたのが、選手ひとりひとりの攻撃的な姿勢だ。ファーストストライクを迷うことなく振りぬき、鋭い打球を放つ打者が目立った。桐蔭学園中戦ではカウント0−2や0−3からでも、躊躇なく振った。(あれだけ振られると、投手はイヤだろうなぁ)と思いながら見ていた。「好球必打」という言葉がピタリとくるチームであった。
優勝した生麦中は昨夏の県大会ベスト8で敗れた悔しさを見事に晴らした。チームは「関東大会制覇」を目標に掲げていたが、この優勝で一気にジャンプアップ。開催地代表としての全国大会出場を決めた。 新庄先生は、昨夏全日本で3位となった横浜クラブでもコーチを務めており、2年連続の全日本出場となる。実際にグラウンドレベルで試合をやった経験が、必ずや生きるはずだ。 優勝後、新庄先生のもとには、横浜クラブで監督を務めていた榎屋先生(鶴ヶ峰中)から祝福の電話が入った。「ありがとうございます。横浜から全国を狙います」と決意を示していた。 新庄先生にとって優勝と同じくらい嬉しかったことが、横浜の決勝で「鶴見決戦」を実現できたこと。 「鶴見を相模原のような強豪地区にしたい」 中学野球は不思議なもので、ひとつの地域に強いチームが出てくると、他のチームがそれを超えるために練習し、地域のレベルがグンと上がる。「相模原」はその代表例である。東林中が全国大会に出たことで、東林に追い付け追い越せで内出中や上溝中ら、全国レベルのチームが作られてきた。 昨夏全国3位に入った内出中の武内先生は、「東林中が全国の空気を入れてくれた」と表現する。「全国」「全国」といくら口では言っても、実現するには相当な努力が必要となる。それを現実に成し遂げたチームが身近にいると、全国の基準ができる。練習試合、市大会などで、戦うこともでき、全国レベルを実感することができる。
鶴見区は少年野球の強豪が多く、野球が盛んな地域である。 昔でいえば、甲子園で活躍した永川英植(横浜高校)が潮田中の出身。ジャンボ宮城(横浜商)が鶴見中の卒業生である。現在ではドラフト候補にも上がっている横浜隼人の藤原貴寛が潮田中。1年夏に甲子園を経験した関洋平(現日大三2年)が上の宮中の出身である。関は梅田先生の教え子で、中学3年時には春の県大会ベスト4、夏の県大会ベスト8の成績を残している。
生麦中、上の宮中が出場する県大会は5月22日に開幕する。 新庄先生の次なる目標は「打倒相模原!」だ。昨夏の県準々決勝では、内出中に0−1で惜敗と悔しい思いを味わっているだけにその気持ちは強い。 今春の相模原代表(県北代表)は相模原地区を引張ってきた強豪・東林中。ともに勝ち上がれば、決勝で戦うことになる。
なお…、新庄先生と梅田先生はともに横浜市立南高校の卒業生。新庄先生が6つ上になる。後輩にはまだまだ負けられない、といったとこでしょうか?! ちなみに今春の県大会で準優勝した横浜商(Y校)の寺田監督も南高校OB。この春は、南高(地元では「ナンコウ」と呼ばれてます)OBが大活躍となりました。
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