みのるの「野球日記」
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2004年02月19日(木) Kボール 選抜チームの活躍

 2001年に始まったKボールの全国大会の優勝チームを見てみると、圧倒的に選抜チームの強さが目立つ。

◆2001 
 春 東林クラブ(神奈川)
 夏 全流山(千葉)
◆2002
 春 八千代選抜(千葉)
 夏 オール柏(千葉)
◆2003
 春 成田選抜(千葉)
 夏 サンジュニア(東京)

 春夏合わせて6度の全国大会で、中学野球部として優勝したのは2001年春の東林クラブのみ、あとは選抜チームが4度、クラブチームが1度。特に千葉県の活躍は圧倒的で、4度の日本一を果たしている。千葉県勢は準優勝の回数も3度あり(01春:松戸六クラブ、01夏・02春:千葉マリーンズ)、飛びぬけた強さが分かる。

 なぜ千葉が強いのか…これは春の選抜大会が成田市で開催されていることからも分かるように、県全体でKボールに力を入れているからだ。それも、中学野球部としてでなく、選抜チームの強化に力を入れている。特に98年に全流山が全日本少年軟式野球大会を制して以来、選抜チーム結成の流れがどんどん高まっている。

 全国的に普及し始めた選抜チームのメリットはどこにあるのか。一番の魅力は、野球部が弱い学校に所属している選手でも、個人の力が認められれば、選抜チームに選ばれ高いレベルの試合を経験できることだ。
 たとえば、夏のKボールの全国大会は8月中旬に行われるため、中体連の予選はほとんど全ての学校が終了している。実力のない学校の場合は7月上旬に終わっているところもある。普通なら、そこで部活動引退となるが、選抜チームに選ばれていれば、まだ野球を続けられる可能性があり、勝ち抜けば全国レベルを体感することもできる。高いレベルを経験すれば、また違った野球の世界を見られる。これは次の高校野球をやるためには非常に大きな経験といえる。
 
 メリットもあればその逆の部分もある。それは、学校の野球部との兼ね合いだ。千葉は中体連の予選とKボールの予選が重ならないように、連盟同士が協力しあっていると聞くが、全国的にはそうでない県がほとんどだ。極論をいえば、野球部と選抜チームと、両方勝ちあがれば、いつかは試合が重なるときがある。そのときに、主力選手の取り合いになる、なんてことも有り得ないことではない。
 
 02年の全中は岡山の宇野中が優勝したが、その時のエースは現在岡山城東の二番手投手として活躍している中谷傑だった。中谷は全日本少年軟式野球大会に出場した岡山クラブのメンバーにも選ばれていた。予選では宇野中で投げたり、岡山クラブで投げたりと、ふたつのチームで活躍していた。が、最後の最後、全国大会では全中(奈良)決勝まで残り、全日本との日程調整がつかず、登板を果たせなかった。
  
 選抜チームが「進学」に対するメリットを与えることもある。選抜チームで全国大会に出れば、内申書にプラス○点と加算されるのだ。これは自己推薦の大事なアピールポイントにもなる。また、全国の大舞台に出れば、高校野球関係者の目も光る。そこで、プレーが認められピックアップされるケースもある。

 先日取材に伺った刈谷東中・木野先生の言葉で印象に残ったものがある。「子供に違う世界を見せてあげたい」という言葉だ。「違う景色」とも表現していた。
 中学生にとって、今まで味わったことがない世界を見ることは、今後にとって大きな影響がある。その世界に追いつきたいと思えば、今まで以上の努力をする。部活動では叶わなかった全国の景色を、選抜チームで見ることができれば、野球に対する新たな感覚が生まれてくる、といえる。
  


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