みのるの「野球日記」
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2004年02月17日(火) Kボール 世界大会優勝

 原史彦捕手(日大三島)の取材に行く前日、彼の出身中学を調べると「伊豆長岡中」と分かった。伊豆の中学ってことは、もしかしたらKボールの大会に出ていたかな……。以前、関係者から譲り受けたKボールの資料に、「伊豆少年野球団、世界大会優勝」という記事があったのを薄っすら覚えていた。チーム名からして、伊豆の中学を中心にした、選抜チームであることが分かる。
 原にその話を訊くと、「中学3年のとき、Kボールの世界大会で優勝しました」と。やっぱり、そうだった。原はサードのレギュラーとして出場。日大三島の現エース山田貴博(天城中)も選抜メンバーに入っていたという。

 この世界大会の正式名称は『AA K−Ball野球世界大会2001』という。AAは15歳以下の意味。ちなみに参加は台湾、韓国、メキシコ、日本(東林クラブ、全流山、伊豆少年野球団)の6チーム。東林クラブ(神奈川)はその年の『第1回 K−Ball全国中学生選抜大会』(毎年3月下旬開催)で優勝。全流山(千葉)も『第1回 K−Ball全国中学生野球選手権大会』(毎年8月下旬開催)で優勝を飾っている。伊豆少年野球団は選抜大会で4位だったが、開催地枠での出場(世界大会は伊豆で開催)だった。

 世界大会は、佐相先生によればメキシコがかなり強かったらしい。でも、大会は台風の影響で2日間順延し、メキシコは飛行機の関係等で大会最終日まで残れなかったという。決勝は伊豆少年野球団と台湾の組み合わせで、伊豆が優勝。原曰く「向こうのピッチャーは球がめちゃくちゃ速かった。130キロは余裕で出ていました」とのこと。すごい化け物がいそう…。その後、メキシコのエースはアメリカで1A契約を結んだとか結ばなかったとか…。

 Kボールは、世界大会のほか、夏の選手権大会も伊豆で開催している。というのも、「日本Kボール少年野球連盟」の会長がシダックスの志太勤氏。その関係で、伊豆にある「志太スタジアム」をメイン球場に行われている。大会前日にはシダックスの選手による野球教室や、社会人同士のOP戦を開催することもあるようだ。ちなみに春の選抜大会は千葉県の成田市で開催されている。

 KボールのKには「健全、健康、国際性」の意味が込められているそう。大きさ、重さとも硬球とほぼ同じで、バウンドの弾み方も硬球に似ている。でも、軟式と同じく中空構造なので硬式ほどの危険性はない。

 中学野球部では、Kボールの試合に出場するしないに関係なく、Kボールを持っている学校が多い。冬トレのときに、Kボールを使わせたり、ノックで硬式と同じような低く這うようなゴロを体験させるために使用している。中学3年生が夏の大会を終え、高校からは硬式野球に移る、という準備段階に使っているところもある。

 このKボールの長所は「世界と戦える」点にある。軟式野球はやはり日本止まり。Kボールもほぼ日本でしか普及していないが、硬式に慣れ親しんでいる海外の選手に、Kボールを渡すと特に違和感なくこなすという(実際に使っている国もあるらしい)。これが硬式→軟式であれば、ボールの重さ、反発力など戸惑う面があると思う。硬式→Kボールだと、それほどの戸惑いはないようだ。

 伊豆少年野球団が優勝した夏の世界大会のほかに、東南アジア大会に参加することもあり、日本を飛び出して試合を行うことができる。軟式野球部では味わえない「世界」を体感することができる。

 だが、中学の軟式野球部としてはやはり最終目標は8月の全中。全中を目標にすれば、日程的にKボールは難しい。また、横浜スタジアムで行われる全軟連主催の全日本少年もある。こちらも地区によっては3月から予選を行っている。成田でのKボール選抜大会と重なる地区もあり、両方出場というわけにはいかない。Kボールの大会に出場した場合は、全軟連主催の大会には出られないという規定もあるそうだ。つまり、Kボールの全国大会とはいっても、全ての学校が予選に参加しているわけでなく、「真の日本一」とは言いづらい面がある。

 ただ、選抜チームや地域のクラブチームは、Kボールに力を入れているチームが多く、特に東北地区や千葉県は非常に熱心に活動をしている。

 というわけで、続きは次回(の予定)。


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