2003年11月24日(月) |
同じ舞台へ 〜トヨタ自動車・川岸強〜 |
2年前の明治神宮大会。大学の部・決勝戦(駒沢大vs城西大)が行われた11月19日は、偶然にもドラフト会議当日だった。 駒沢大の優勝が決まったあと、2回戦からの3試合すべてで先発の役目を果たした川岸強(4年)のもとへ行った。 川岸は桐蔭学園の投手兼外野手として、夏の甲子園に出場している。そのとき、ショートを守っていたのが平野恵一(東海大ーオリックス)、エースが浅井良(法政大ー阪神)だった。 神宮大会決勝当日。平野と浅井はすでに、自由枠でのプロ入りが決まっていた。そして川岸は、トヨタ自動車への入社が決まっていた。一方はプロへ、一方は社会人へ。高校時代の仲間が違う道を歩む。 「悔しさも羨ましさもありますけど……でも一緒にやっていた仲間ですから、頑張って欲しいですよ」 川岸は笑顔を交えながら、ふたりのことを話した。悔しさよりも、仲間を応援する気持ちの方が強いと感じた。 それでも川岸は最後に言った。 「2年後、自分もドラフトで指名されるような選手になって、絶対にふたりと同じ舞台に立ちますよ。負けてられないですよ」
あれから2年。今年も11月19日に行われたドラフト会議で、川岸は中日の7巡目で指名を受けた。自由枠で進んだ桐蔭学園の仲間と比べ、順位は低い。それでも、2年前の誓いどおり、仲間と同じ世界へ入ることができた。平野、浅井ともプロ入り2年間は、1軍半の日々。川岸は彼らを見て、プロの厳しさを身に染みて感じていると思う。右サイドから繰り出すキレのあるストレートとスライダー。高校時代からマウンド上で躍動するフォームはいまも変わらない。プロで活躍する姿を、楽しみにしたい。
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