2003年07月23日(水) |
松本快投!南高、4回戦へ(南vs大清水) |
横浜市立南高校のエース松本健太(3年)は、最後の打者をライトフライに打ち取ると、何度も何度もガッツポーズを作り、雄叫びを上げた。ホームベース付近では、キャッチャーで主将を務める小林恒平(3年)も、体全体で勝利の喜びを表していた。ふたりはともに歩み寄り、満面の笑みでがっちりと抱き合った。ベンチからは、控え部員が大喜びで飛び出してきた。まるで、優勝でも決めたかのような喜びようだった。 エースの松本は、この試合に3試合連続完封がかかっていた。初戦、2回戦と、130km中盤のストレートと、スライダー、スプリットを武器に完封勝利。今日も8回までスコアボードにゼロを並べた。しかし、9回に3連打を浴び、2失点。記録は途絶えた。それでも、チームは4対2で勝利。試合後の松本は、勝利を素直に喜んでいた。 「最後になって、連続完封を意識してしまいました。でも、勝てたんで、良かったです」 今日の松本。内角への攻めがほとんどなく、8割以上が外角中心。しかも、ほとんどがストレートだった。 「試合前に、監督から外角のストレートを中心に攻めていけと言われていたんです。打たれだしたら、また配球を変えればいいからと。とりあえず、行けるところまで、ストレート中心でいきました」 スタンドから見る限り、130km中盤は出ていたのではと思えるストレート。松本を見たのは、この日が初めてだったが、「2試合連続完封」という結果にもうなずけた。とにかく、外角へのコントロールが抜群に良かった。失礼ながら……、「何で、公立高校にいるんだろう」と思ったほどだ……。 松本をうまくリードしたのが、キャッチャーの小林。 打つほうでも、4番打者として、4打数3安打1打点の活躍。主将としてもチームを引っ張り、松本とともに勝利に大きく貢献した。
じつは、この小林。私と同じ小学校・中学校の出身(後輩です)。中学時代は、神奈川県大会ベスト8まで進んでいる。準々決勝で慶應湘南藤沢中に敗れたのだが、たまたまこの試合を大和引地台球場で見ていた(東林中を見るために球場に行ったら、自分の母校が試合をやっていたので、かなりびっくりした)。プレーが大人びていて、ふてぶてしいキャッチャーだなぁと思った記憶がある。 進学時には、いくつかの私学から誘いを受けたという。それでも、迷わず南高(地元ではナンコウと呼ばれてます)を選んだ。 「中学1年のときから、南高で野球がやりたいと思っていたんですよ。ちゃんとした野球のグラウンドがあるんで、それが決め手でした。だから、迷わず南高に進みました」 私も一度練習試合で、南高に行ったことがあるが、立派な野球専用グラウンドがある。公立と違って、市立高校はお金があるなぁ……とそのとき思った。しかも、校舎に冷暖房が完備されているときいた。それに、温水プールまであるらしい。ますます、市立はお金があっていいと思ったものである。 明日の4回戦で対戦する横浜商大のエース給前信吾は、小学校・中学校と小林と同じだった(ということは給前も私の後輩)。 「小学校4年生まで、給前と同じチームで野球やってたんですよ。5年になってから、給前はリトルに行ったんですけどね」 中学では、小林は軟式野球部へ、給前はシニアへと進んだ。同じチームで野球はやらなかったが、やっぱり意識はあるという。 「ライバル意識がないといえば、ウソになりますね」と話す。
ちなみに、給前と小林が小学校時代に在籍していたチームは、「港南台メッツ」。いまはどうか分からないが、私が小学生のときは、めちゃくちゃ強かった。友達が何人もメッツにいたが、2回対戦し、ともに二桁得点で大敗した嫌な思い出がある。小林がいたときも、強かったそうだ。 南高は、いまの桜丘や百合丘のように、かつては「公立の雄」と呼ばれていた。確か、数十年前にベスト8かベスト4まで進んだように記憶している。一時低迷時期があったが、専用グラウンドが完成した頃を境に、安定して好成績を残すようになってきた。 今年は新チームになり秋、春とともにベスト32入り。シード校に次ぐ力を持っている。 明日の商大との対決。南高らしい、ねちっこい野球で好勝負を演じて欲しい。
本日、山手学院が第2シードの百合丘を下しました。 信じられない!! 山手学院は、私の家の近くにあるのですが、つい5年ほど前までは、かなり弱かった学校です。それが、近年、推薦制度などを作り、野球部の強化を図っているらしい……。次の対戦相手は逗葉高校。逗葉に勝つと、厚木北と城郷の勝者。どれも、圧倒的に力の差がある相手ではないです。もしかすると、ベスト8まで進んだりして……。地元なので、密かに応援しています。
◇神奈川大会3回戦 大清水 000 000 002 2 南 000 010 12× 4
<松本の今大会の投手成績> 1回戦 6−0 湘南 9回 6安打 7三振 2四死 0責 2回戦 4−0 港南台 9回 6安打 5三振 2四死 0責 3回戦 4−2 大清水 9回 9安打 12三振 2四死 2責
|