2003年06月24日(火) |
名門・桐蔭学園中学野球部 |
中学野球を代表する私学に、明徳義塾中(高知)、星稜中(石川)、東海大一中(静岡)が挙げられる。過去にいずれも全中優勝経験を持つ。ここに加わるのが、去年の全中でベスト4に進んだ修徳学園中(東京)。そして、不思議なことに、全中出場経験がまだ一度もない桐蔭学園中(神奈川)だ。 桐蔭学園中は、毎年8月に横浜スタジアムで行われる全日本少年軟式野球大会で、2度の優勝経験がある。最近では3年前の全日本で、現在桐蔭学園高で活躍する平野貴志、栗原健、片岡優帆、岩本慧らを擁し、優勝を飾った。
今年の桐蔭学園中は、昨秋の横浜市大会に続き、5月に行われた春季横浜市大会も制覇。開催地代表として、4度目の全日本出場をすでに決めている。 4番を務めるのが、現在桐蔭学園高を率いる土屋恵三郎監督の息子、そしてショートを守るのが巨人・川相の息子。桐蔭学園中は過去には元巨人・鹿取の息子もプレーしていたことがある(ほかにも巨人選手のジュニアが結構いたらしい)。さすが?! 桐蔭学園中……。 なお、今年の新入部員は約70名!! 全部員は150名前後になるらしい……。恐るべし。高校野球でもこれだけ多い部員数は、なかなかないのでは。 で、なぜ、この桐蔭学園中が全中に一度も出ていないかというと、関東地区特有の規則があるからだ。中学野球の全国大会といえば、ともに8月に行われる全中と全日本のふたつがメイン。この2大会は開催時期がずれる時期もあれば、重なる時期もある。そして、予選の時期も重なる場合がある。そうなると、どちらかの予選を辞退しなくてはいけない。予選の決勝まで行って、「ハイ、辞めます」というわけにも、なかなかいかない……。 そこで関東地区では、何年か前から、「全日本と全中の両方を出ることは禁止」という規則ができた。今回の桐蔭学園中のケースでいえば、既に全日本の出場権を得ているので、全中に出ることは不可能。しかも、神奈川の場合、全日本は春の成績で決まるため、夏の全中を狙える戦力を持っていても、全中は辞退しなければいけない。桐蔭学園中が過去に一度も全中に出ていないのは、その辺りの兼ね合いがある。
なお、今年の桐蔭学園中は、7月から行われる夏の横浜市大会には参加が可能。市大会の上位6チームが、7月30日から始まる県大会(会場は平塚球場)の出場権を得るのだが、もし桐蔭学園中が上位6チームに入った場合は、ほかのチームに出場権を譲る形になる。これは、8月の全日本まで公式戦が組めないのは、チーム強化上望ましくないということで、横浜市が考慮したものである。
桐蔭学園中を率いるのは大川和正先生。桐蔭学園高から早稲田大に進み、岩倉高でコーチを務めたあと、桐蔭学園中の野球部監督に就任した。今年で40歳過ぎになるが、とても「熱い」先生だ。なお、桐光学園高の野呂雅之監督とは、早稲田大時代の1年先輩(後輩?すいません記憶が定かでは…)。学校同士は、「蔭」と「光」であまり仲が良くないらしいが、お二人はそんなことは全く関係ないらしい。よく電話で話しているという。ちなみに、この「蔭」と「光」は、車で30分ほどの近さ……。 私は現役時代、大川先生率いる桐蔭学園中と3度対戦したことがある。1度は夏の横浜市大会の準決勝。残りは練習試合だった。確か、3戦全敗だった記憶がある。とにかく、いや〜なチームだった。 ベンチがうるさい! 選手もうるさい! 応援もうるさい!(この当時から部員が100名を超えており、ベンチ外の応援部員が80名近くいた) すべてにおいて、いや〜な「プレッシャー」をかけてくるチームだった。
で、先日、取材で大川先生のもとへ。 取材が終わったあと、「大川先生と対戦したことあるんですよ」と言うと、さすが野球部の先生! 抜群の記憶力で(野球部の先生って記憶力が良い気がします)、約10年前の試合結果・内容を細かく話し始めた。先生とその頃の話しをしているうちに、私も忘れていたことが蘇ってきた……。 「一番バッターに、カットばっかりする選手がいましたよね。もう、あの選手が嫌で嫌でしょうがなかったんですよ」と大川先生。 そういえば、そんな選手(1年先輩)がいたなぁ……、と妙に懐かしくなった。
カウント2−0から、ストライクのボールを、これでもかってくらいにカットとして(ファウルで逃げて)、挙句の果てに四球を選ぶ、「伝説の(?)カットマン」が私のチームにいたのです。。
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