2003年05月24日(土) |
新人戦に向けて(法政大・佐藤宏樹) |
6大学春季リーグも残すところあとわずか。今日の時点で、早慶明の3校に優勝の可能性が残る、大混戦となっている。 リーグ戦終了後は春季新人戦が開幕。リーグ戦の出場機会に恵まれなかった1、2年生が、トーナメント方式で優勝を争う。毎年、甲子園で活躍した選手らが多数出場する。
昨夏、甲子園に出場した桐光学園からはファーストの佐藤宏樹が法政大へ進学した。甲子園メンバーで6大学に進んだのは彼一人だけだ。 佐藤はここまでベンチ入りはゼロ。ブレザー姿でスタンドから試合を見ているときもあれば、黄色い腕章をつけてファールボールの回収係を務めていることもある。 4月の始めには、こんなことを嘆いていた。 「スタンドって寒いっすね。もう鼻水出てきちゃって(笑)」 「ブレザーだけじゃ寒いでしょ。上に何か着たらいけないの?」 「いけないんじゃないですかね。先輩も何も着てないですし……」 と鼻水をすすりながら、球場をあとにした。 佐藤と言葉を交わしながら、思った。佐藤にとって、スタンドから自分のチームの野球を見ることは、久しぶりのこと。桐光では2年からベンチ入りし、試合に出ていないときでも、試合を見る場所はスタンドではなくベンチだった。
今年の法政は例年以上に1年生が試合に起用されている。 野手でいえば、大引(浪速)、須藤(武相)、西川(三重)の3人。 須藤は佐藤と同じく神奈川の出身。武相高校で4番センターを務めていた。じつはこのふたりは、夏の県大会4回戦で対戦している。佐藤は初回に横浜スタジアムの左中間スタンドに放り込むソロホームランを含む2安打の活躍。一方の須藤は清原(現東農大1年)の前に2打数0安打に終わった。試合は12対3で桐光が圧勝した。 私はこの試合をネット裏から見ていたが、須藤に関する記憶が全くない。意外にも、佐藤も同じだった。 「須藤って、武相でしょう。武相ってことは県大会で対戦してるよね?」 「してるみたいですね。ぼくも大学入って知ったんですよ(笑)。全然覚えてないんです」 「高校のときから名が知れてた?」 「いや、自分では大学で開花したって言ってますよ」 この須藤は、春季リーグで佐藤より一足早く神宮デビュー。スタメンで活躍するなど、1年生ながら存在感を見せている。
3週間前の明大戦終了後。 「他の1年生が使われているけど、焦りはない?」 「全然ないですね。自分が何で出られないか分かってますから。木のバットにもようやく慣れてきたって感じで。いまはもう新人戦ですね。新人戦は出られると思うので、活躍したいです」 佐藤らしくなく、足に関しても気にしていた。 「最近、気づいたんですけど・・・、足が遅くなってきてるんですよ(笑)。やばいです。金光監督は足が速い選手じゃないと、あまり使ってくれないんで。いま、走りこんでるんですよ」 また守備の方は、高校時代慣れ親しんだファーストではなく、サードを主に守っているという。
新人戦の日程は先日発表され、法政は大会2日目に早大ー東大の勝者と対戦することが決まった。
ちなみに佐藤の出身中学である内出中(相模原市)は、今年の春季相模原市大会で優勝。県北大会でも、東林中、大野南中をともに1−0で連破し優勝。今日24日から開幕する県大会出場を決めた。
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