2003年01月10日(金) |
東林中学 日本一への挑戦(4) 修徳中との合同練習【2】 |
二人一組によるキャッチボールで練習は始まった。両足を揃えたり、片足を浮かして投げさせたりと、様々な投げ方で指導をしていた。 私が一番驚いたのは、修徳中の選手が「股投げ」と呼んでいた投げ方だ。右投げであれば、まず投げるときに左足を上げるが、その左足の下からボールを投げる。スナップがうまく使えていないと、相手に投げることはできない。初めて挑戦した東林中の選手は戸惑うばかりで、ボールがあっちへ行ったりこっちへ行ったりと、まるでキャッチボールになっていなかった。それでも、何球か投げていくうちに、レギュラークラスはさすがに飲み込みが早いのか、しっかりと投げ返していた。
キャッチボールのあとは、内外野に別れての守備練習が1時間ほど続いた。そして、最後はサーキットトレーニングで合同練習は終了した。
佐相先生は、内野の守備練習を見ているときに「色々、勉強になるなぁ」と感心していた。 「修徳中の守備には何か秘密がある。全然エラーしないし、どうやって教えているんだろう。修徳の守備を盗めたら良い」 合同練習が決まったあと、私にそう話していた。 先生は、手応えを確実に掴んでいたようだった。
練習中、「みのるさんの今年の目標は?」と訊かれたので、「今年こそ、雑誌に書きたいです」と答えた。「先生は?」と振ると、「おれは……」。先生の視線の先には、練習着を来た生徒の背中があった。全部員の背中には『全国制覇』と書かれている。「毎年、全国の頂点が目標」、先生は躊躇することなく言った。 この日頂いた年賀状にも、『全国制覇あるのみ』と書かれていた。 生徒に配った『平成15年 東林中学野球部 試合日程』にも、決意が記されてある。
【7月6日 相模原市中学校総合体育大会開幕】
「この日が背中と帽子に書いた全国制覇の第一歩 今までの先輩が果たせなかった目標をぜひ今年実現して欲しい」
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