新年あけましておめでとうございます。「野球きちがい日記」は2度目の正月を迎えました。おかげさまで、3万アクセスも目前に迫っております。アクセスして頂いた全ての方に感謝いたします。
12月の始め、ある高校野球部の選手に「ネットで日記書いてますよね?」と訊かれました。彼が、日記を読んでいることは、周りからチラホラと聞いてはいたのですが、いざ面と向かって言われると、恥ずかしさと嬉しさが入り混じった複雑な気持ちになりました。 彼のことは日記で何度も書いているので、書かれた本人はどのように思っているのだろうか。もちろん、本人に読まれることを意識して書いてはいるのですが、やはり本人の感想は気になります。
12月中旬の「スポーツライター塾」では塾生ふたりが組んで、お互いを取材するという課題を行いました。人数の関係で私も参加したのですが、これがなかなか新鮮でした。 今まで取材される側、書かれる側に立ったことはなかったので、「なるほど、自分のことを訊かれるというのは、こういう気持ちなんだ」と、少しですが、理解できたような気がします。 また、書き終わった作品は、それぞれ取材した本人の前で、声を上げて読みました。取材対象者を前にして読み上げる……、何とも言えない気持ちになりました。書かれて嬉しかったのか、事実と違うよと思ったのか……。
細々と書いていた日記ですが、最近は読んでいる方々の顔が分かるようになってきました。顔というのは、いつも読んで下さっている方々のことです。毎日アクセスしてくれている方もいるそうで、嬉しい限りです。 その中には、大学野球部の現役選手もいます。たまたま、検索で見つけて、アクセスしてくれたそうですが、「自分のことが書かれていて、ビックリしました!」とわざわざメールを送ってくれました。地方リーグに所属している彼は、ほとんどメディアに取り上げられることがなく、「ビックリしたけど、嬉しかったです。見られていることを良いプレッシャーにして、頑張りたいです」とメールには書いてありました。 昨年を振り返ると、桐光学園の甲子園出場や東林中学の関東大会出場と、取材してきたチームが良い結果を残し、非常に嬉しいことがありましたが、彼からもらったメールもそれに負けないぐらい、私にとっては嬉しい出来事でした。
昨年の夏前までは、「読まれること」はあまり意識していませんでした。でも、読んで下さっている方の顔が見えるようになり、色んな意味で「読まれる意識」をするようになったと思います。べつに、書いた選手を持ち上げようとは思いませんが、取材した選手が日記を読んだとき、読んだ前と後で何かが変わってくれたら嬉しいです。 10月25日に書いた「人生を変える本」の日記で、「最後の頁を読み終えて顔をあげたとき、目に映る姿が、これまでとは違ってみえること。良い本の条件はただ一点、これのみである。世界中が輝いて見えるような、ドラマティックな変化ではなくてもいい、ほんの僅かな変化でいい」(『新潮45』から引用)と書きました。 私の日記も、そうなりたいと思ってます。
本年もよろしくお願いいたします。
|