先ず、主演の堺雅人と仲間由紀恵、そして森田監督の舞台挨拶がありました。 仲間は加賀友禅姿で登場。 堺は客を笑わせてくれる楽しいコメントをしてくれました。
そして映画。
全体的にほんわかほっこりした話です。 家族の愛情についてが大筋なのでそんな感じですが。
祖父に中村雅俊、祖母に松坂慶子、堺雅人に妻が仲間。おばばさまに草笛光子。 家族揃っての食事風景が独特でいいんです。なんでしょう、いい配役というか。間がいいのかな。台詞を言うタイミングがいいのか、リアクションに嫌味がないっていうか。 ついでに、食事でその時々の家計の様子がありありとわかる。 おかずがだんだん質素になっていくのが面白いですね。特に仕事に行った先での祖父と主人公のお弁当が。
家財道具を売り払ってしまうので着物も質素になり、祖母の煙管も短くなり(笑) でも、にらみ鯛の場面では息子の直吉がナイスフォローをしてるなあと。その後の、息子をおんぶして鯛じゃ鯛じゃと親子で戯れるシーンがじんわりきます。このシーンを最後にまた回想として出してくるのが泣ける!
家財道具を売って、まだ残る借金を返すために質素倹約に努め、地味に生活している猪山家が、それでも仲良くやってるのがとても印象的です。 そろばんと書を教えられ、父に言われて直吉がお金の管理をするようになり、子供心に辛かったろうなあと思いましたが。 子供は親に反発するもんです。
ああでも、直之は反抗期がなかったような気がするあれは。
祖父が亡くなってから、話は一気に進みます。 おばばさまが亡くなり、祖母が亡くなり、直吉も大きくなるんですよねー 時代が幕末から明治に移り変わる頃なので、まさに青年時代の息子は影響されているんだろうなと思いました。 まあ、誰もが直之みたいに自分の信念を信じ続けることが出来るとは限りませんし。
直吉が生死不明になった時の妻のお駒の悲しみに過去の自分を振り返る直之の、その二人のやり取りとか、金沢に帰ってきた息子を迎え、親子三人で散歩している時のあの空気は本当に泣けます。
藩の算用者の話なのでそろばんはいつでも出てきますし、ぱちぱちと弾いている様と音が結構楽しいです。
剣術はからっきしの直之の手合いの場面での堺の腰の引け具合は素晴らしいです。 舞台挨拶の時の司会を務めたアナウンサーのコメントに、「腰が引けている」とあったんですが、まさにその言葉にぴったりだと感じました。 でも、ちゃんと稽古して臨んだ場面らしいです。堺雅人がそう言ってました。 そろばんもあまりうまくないのだと言っていたのですが、堺がそろばんを使う場面は結構あるので、その辺は大変だったんじゃないかと思う。
金沢で撮影をしていて、まさに石川門がでかでかと映り、お隣の県だけど昔から見ていて知っているあの門をスクリーンで観るというのはなんだか誇らしい感じがしました。あれか、剱岳点の記の時と同じ気分なのかも。
結論。 直吉少年時代役の子役くんの芝居がなかなかです。
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