冒頭の映画タイトルが表示された時の、止まった映像がとても印象に残ってます。 真上からの走る黒塗り、停止した映像に浮かび上がるアウトレイジの文字。 いいなあこの編集。
小指を詰めるときのぐりぐりごりごりいってる音と映像だけは気持ち悪かったです。 それ以外は基本、銃なのでそれほどえぐくはないんですけどね。 あ、でも、歯医者が使うあのキュイーンていってる道具で口の中をぐちゃぐちゃにするのはなあ…ものに馴染みがあるだけに想像しやすくて嫌でした。
賛否両論のあるらしいこの作品。 私は極道のどんぱちものは大好きなので、普通に面白かったですよ。 何より、キャストが豪華じゃないですか!(ここ重要) ビートたけしは勿論のこと、小日向さん、椎名桔平、三浦友和、北村総一朗、國村隼、杉本哲太、石橋蓮司、中野英雄、塚本高史、加瀬亮。 柄本時生が出て来た時はちょっと笑ったけど。この子、ほんとに滑舌悪いんですけどねー。顔のインパクトだけはあるよなあ。
石橋さんが出てくると何故か笑えてしまうのはもう、この人の特性だと思うので仕方ありません(笑) 酷い目に遭わされてるんだけどね、なんか笑える。シリアスな演技でも一種独特な空気を持つ俳優さんだと思う。や、好きですよ結構。
加瀬に関しては、ずーっと、こいつどこかで見たことあるけど誰だろう?と考えてました。 キャストロール見るまで気付かないなんて、田中圭と同じ部類です私の中で。
椎名さんは素晴らしかったなあ。 久しぶりにこの人の演技を見たけど、やっぱりちょっと違うと思うんだよね私は。 何よりも、警察署の前で煙草を吸って、吸い殻を投げ捨てた時のどこか諦観が混じった笑み。これは必見だと思う。 凄んでる時の迫力はあともうちょっとな気がしないでもないけど、それももう数年こういう映画に出てたらさらに深みが出るんじゃないかと期待します。 この手の役柄は絶対似合うと思うんです。身長あるからスーツは似合うし、煙草吸いつつの立ち姿がかっこいい。
順番に殺されていくんだけども、最後に生き残るのは誰なんだろうなあと予想はしたくなる。 まあ、あまりどんでん返しというものはないけど。 案外順当なのかも。
小日向さんはねー、凄んでも迫力ないから、そういう場面はなくてもよかったかも。 小判鮫のように権力者にくっついて、最終的においしいところに収まる感じでいいと思うんです。まさにそういう役でしたけど。
無くても良かったといえば、こういう映画ではお決まりのお色気シーン。 椎名さんでしたけど、別にあれはなくても展開の想像は出来たからなあ。
殺され方はえげつなかったですけどねー水野。 あれは一瞬だからむしろ苦しまなくて良かったのかもしれない。
水野を殺した後の二人が道路を歩いていく様とか、冒頭の食事シーンの國村さんにカメラあててるところとか、最後のバーベキューで和気藹藹と楽しんでる下っ端さんたちとかのシーンが好みでした。 あの、なんでもない場面の挿入の感じがなんとなく好きかな。抗争シーンよりも、普段の生活シーンの方がね。
結論。 全編通して、「バカヤローコノヤロー」が多かった。
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