加藤のメモ的日記
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2023年11月11日(土) 目薬は捨て時が肝心 ��

意外に知られていませんが、目薬にもジェネリック医薬品があります。注意すべきは、目薬のジェネリックは、主成分は先発品と同じでも、その他の「基剤」については異なるものが使われているということ特許が切れるのは主成分だけなので、基剤は先発品と同じものを使うことができないのです。

薬によってはボトルの中身について、先発品となじ成分が0.1%に過ぎないものもあります。言ってみれば先発品と99.5%は別物でも、ジェネリック医薬品として認められているのです。基剤が異なれば、人体への浸透率もPH(酸性度)も違てきます。しかも薬局によってどのメーカーのジェネリックを置いているかは分からないので、患者さんから見ればルーレットのようなものです。

ジェネリックに不安を感じる方は、まず一定期間、先発品を使ってから検査する。効果があれば一度ジェネリックを試してみる。それで効果が落ちたら先発品に戻す、という方法を試すといいでしょう。一方で、ジェネリックにもメリットはあります。一部には防腐剤を使わないでボトルの特許持つものもあります。防腐剤無添加となっています。薬品名に「PF」と付いている薬が代表的なので、探してみてください。

目薬は「捨て時」が肝心

眼科で処方される目薬(点眼薬)は大きく分けて抗菌薬、消炎薬、ステロイド薬、抗アレルギー薬、ドライアイ薬、白内障予防薬、緑内障治療薬といった種類があります。このうち白内障予防薬だけが「予防目的」でそれ以外はすべて「治療目的」です。優に百を超える銘柄の中から症状に合わせて、時に複合的医薬を処方することになります。

目薬の使用にあたって、最も注意すべきはステロイド薬です。花粉症などのアレルギー疾患で目の症状が出た際、病院で抗アレルギー薬かステロイド薬の目薬が出されることが多いのですが、抗アレルギー薬は効き目がマイルドなのに対してステロイドの点眼薬は切れ味が良いのが特徴です。そのため、ステロイド薬を希望する患者さんは少なくありません。

ただステロイド薬には眼圧を高める副作用があります。よく考えずに漫然と使い続けていると、緑内障や白内障などになるリスクもある。まず抗アレルギー薬を使ってみて、効果が足りないなら用心しながらステロイド薬を検討する、というのが安全策となるでしょう。ドライアイ薬、自白内障予防薬、緑内障治療薬については、長期的な使用を前提とした薬なので、安心して使い続けてください。

また、主に目ヤニの症状に抗菌薬が出されます。内科領域ではよく、「抗菌薬を使いすぎると耐性菌ができるので要注意」という話が出ます。ただ、眼科においては、過度に使用しなければそこまで心配する必要はありません。

目薬を安心して使うため、いくつかの重要なポイントがあるので、順に挙げていきたいと思います。一つ目は、「薬の止め時」です。ステロイド薬にしても抗アレルギー薬にしても『眼科以外で出された目薬』を使うのは長くても、二週間までにしてください。花粉症で皮膚科や耳鼻科にかかった際、目薬をついでに処方されることがあります。使ってみて、二週間の時点で症状が改善されていなければ、眼科専門医を受診すべきです

内科で処方される内服薬は、出された薬を「飲み切る」のが基本ですが、目薬については最後まで使い切る必要はありません。一定期間使ってみて、眼科医が「もうやめましょう」と判断したら、たとえ残っていても躊躇せずに捨てる、という考え方を持って下さい。使い続けたからといって、元のアレルギーが治るわけでもありません。

付け加えると、ボトルに書かれている「消費期限」は開栓しない場合の期限であって、一度キャップを開けたら、その日から1か月間が消費期限となります。1年前に出された抗菌目薬を後生大事に冷蔵庫にしまっている人もいますが、そんな目薬には当然のことながら殺菌効果などありません。逆に菌を、目にさすことになりかねない。使い残しに未練は不要です。


『文芸春秋』2022 7月号


加藤  |MAIL