加藤のメモ的日記
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2023年08月09日(水) 辺野古新基地

知事承認なし 苦し紛れに違法工事

「無謀な既成事実づくりだ」。沖縄の地元紙・琉球新報は社説(96月23日付)で批判した。県民多数がはんたいする名護市辺野古の米軍進基地建設で、防衛相が必要な知事の承認もなしに、新たな工事の手続きを始めたからである。なぜ岸田政権は強硬手段に出たのか…

本格的な夏の日差しが照り付ける沖縄。辺野古の米軍キャンプ・シュワブのゲート前では、新基地建設反対の座り込みをする市民が「土砂投入をやめろ!」などと記したプラカードを掲げていた。

名護市在住の中村聖子さん(71)は民意を無視し、あらゆる無法を集めて強行する政府のやり方は許せない」と語る。新基地建設では、埋め立て予定地の大浦湾側に軟弱地盤が広がっていることが判明した。地盤改良なしには工事ができず、国は設計変更を迫られた。どれには公有水面埋立法に基づき知事の承認が必要。玉城デニー知事は2021年、防衛相の設計変更申請を不承認にした。大浦湾側の工事ができないため、埋め立てに必要な土砂量の8割以上はまだ投入できていない。

防衛相は今年4月、大浦湾側の埋め立てに必要な土砂を、辺野古川区域に仮置きする工事の手続きを開始した。7月10日期限で入札された。知事承認なしに工事を進めることに沖縄平和市民連絡会北上さんは「違法工事だ」と怒る。防衛相の工事を受注する関係者が明かす。「辺野古川工事はもうすぐなくなる。大浦湾側の工事ができないため、使っていた土砂運搬船は別の現場に行くことになる。大浦湾工事が可能になった時に再度、確保するのは大変だから、防衛相は無理やり工事を作っている」

国の強硬姿勢から浮かび上がるのは、新基地建設で行き詰まり、焦る岸田政権の姿である。

見通しなく焦る岸田政権

海面下90メートルに達する軟弱地盤」

地盤改良の動きはなし

沖縄県名護市辺野古の米軍進基地建設を巡って、軟弱地盤という壁にぶつかった国は、地盤改良のための設計変更で乗り切ろうとした
しかし、玉城デニー知事の不承認で、国は再び壁にぶつかった。県内の自民党地方議員は「一番困っているのは工期の遅れ。辺野古は早くやりたいのに全くできていない」と語る。

防衛省が今回、手続きを始めたのは、大浦湾側の埋め立てに必要な土砂を、辺野古川区域に仮置きする工事である。防衛省は2013年に自公が支える仲井知事(当時)が承認した埋立承認の中に同工事が含まれているとして、「工事は可能だ」だと主張している。しかし、これは全くの嘘である。防衛省が20年に県に出した設計変更申請。当初計画からの「変更内容」の一つとして辺野古側の埋め立て区域に大浦湾用の土砂を仮置きする計画が記されている。変更の目的は「工期の短縮」と説明されている。当初から予定されていたのであれば、設計変更申請に記す必要はない。

沖縄県は、防衛省の説明に「重大な疑義がある」として照会文書を提出。同時に入札手続きを中断するよう求めた。それを無視して7月20日に改札を行った防衛省。デニー知事は「防衛省から十分な回答が得られていあに。やはり疑義があると言わざるを得ない」と批判した。

沖縄平和四民連絡会の北上毅さんは、防衛省の狙いを「工事が止まってしまうことを何としても避け、順調に進んでいると見せかけるためのもの。県民の諦めを狙っている」として指摘する。大浦湾埋め立て土砂を仮置きする工事のはずなのに、肝心の地盤改良に向けた工事の動きは全くない。


『赤旗』7.30





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