加藤のメモ的日記
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2023年07月24日(月) 日本食の欠点「塩」との付き合い方

日本食の最大の欠点と言われているのが、含有塩分の多さ。アメリカ科学アカデミーの平山雄氏はがん予防のための食事のガイドラインや、がん予防のために塩分の抑制を提唱しいている。日本人のがんの代表は胃がんであり、また秋田県のがんの死亡率が高い原因の一つが塩分があげられている。

塩サケ、たくあん、白菜塩漬けなど高塩分の食品が多く特に野菜の取れない冬には塩を使った保存食である漬物を多食しているためだ。こうした漬物類には発がん性のあるニトロソ・アミドが多いのも気になる。

ところで、伝統的日本食の主役である味噌汁100グラム中の塩分量は、約1.5グラム。他の高塩分食品と比較してみると、梅干し1個中2.0グラム。イカの塩辛1.4グラム(大さじ19,塩鮭5.7グラム。(一切れ)たくあん漬け7.1グラム(3切れ)イワシ丸干し7.4グラム(中2尾)等々で、意外と味噌汁の塩分量は少ない。

大切なのは、食塩の使い方だ。プロの料理人の食塩の使用法に学んでほしい。一般の主婦が焼き魚に振りかける塩の量は、約3グラムであるが、プロは魚を焼く30分前にパットに塩を夜空の星のようにパラパラと撒いて、その上に魚を置いてなじませる。こうした料理法で、食塩の使用量は0.3グラム程度という。プロの料理人は「塩は魚の旨味を引き出すのに使うのであって、塩味にするためではない」という。

塩分を思い切って制限するときは、酢を使う。また、塩害を防ぐ方法として利用できるのがカリウム。生体のナトリウムポンプの作用で、カリウムが塩分を体外に排出してくれる。味噌汁にはカリウムの多い食品を具に組み合わせると塩害対策になるわけである。ちなみに味噌汁の具に、豆腐、ワカメ、油揚げなどを入れるが、これらの具は高カリウム食で、塩害防止の最高の組み合わせ食えある。このように伝統的日本食には、組み合わせによる英知が生かされている。

生体を防御する緑黄色野菜と果物の効用

これまで緑黄色野菜とか果物は、ビタミン、ミネラルの供給源と考えられてきたが、それだけではない。村上弘毅氏の『食品と生体防御』によると、植物食品に注目して植物食品が生体の防御機能を増強することに触れている。植物食品に含まれる成分の生体への刺激は温和で炎症、骨代謝、異物排除、組織修復、免疫系への橋渡し、睡眠など生態を防御し最適に維持する作用を与えてくれる。また、細菌などによる激しい刺激に対して、植物食品は反応を制御しながら高熱、ショック、関節炎などを防いで温和なうちに生態を防御する機能がある。

味噌汁と抗がん剤TAMで乳がんが消えた

平成10年4月7日読売新聞では、「乳がん治療に予防効果、タモキシフェン(TAM)副作用の危険も」との見出しで、米国のがん研究情報が紹介されている。米国立がん研究所は、米国で乳がんの治療薬として広く使われているTMAに乳がんの発症を抑える予防効果のあることがわかったと発表した乳がんにかかる危険性が高いとみられる約13.400人の女性を対象にした大規模な臨床試験で明らかになったもので、TMAを毎日服用したグループは、服用しなかったグループに比べ、発症率が45%低かったという。記者会見した医師団は、「乳がんも予防可能なことを示す証拠が初めて得られた」と意義を強調した。

ただTMAを服用し続けた女性は、子宮体がんや肺の血管に血栓ができる肺塞栓症にかかる割合が2〜3倍に達したという。同研究所は、服用に際し乳がんの予防効果と副作用をはかりにかける必要があるとしている。TMAは乳がんの増殖に関係する女性ホルモンの分泌を抑える薬で、手術後のホルモン療法に使われている。日本でも乳がんの治療に使用されている。

日本の食生活習慣で使用されている「味噌」とTMAを結合することによって、乳がんの発生が100%抑制され、副作用もブロックできるという伊藤明彦氏の乳がんラットの研究がある。この研究は、日常の食生活習慣と積極的食事法を結合し、ベースとし、そのうえで抗がん剤を使用してがん細胞を攻撃する。私の全機性医学によるがん多段階療法の効果を偶然にも裏付ける結果となっている。



『がん細胞が消えた』  P154


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