加藤のメモ的日記
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2023年07月01日(土) |
生命を損なう輸入食品 |
日本の食料需給率は、カロリー換算では49%だが、その実、ほとんどが輸入品で、まかなわれている。パンや穀類の原料となる小麦では、自給率14%とという有様である。周囲を海に囲まれ、海洋漁業の国とみられている日本。食卓の魚類はすべて日本人が遠洋や近くの沖合でとったものと思って舌鼓を打つが、魚も意外と輸入物が多い。サケ、マス、エビはその代表格である。
ショートケーキに使うイチゴ、これも輸入である。イチゴは夏場には収穫できない、だから、真夏にイチゴのソートケーキを食べるには、輸入物に頼るほかはない。アメリカ産のイチゴから発ガン性のキャプタンという農薬が検出されているが、これは輸入時の食品検査でノーチェックであった。日本のお菓子と思われているアラレ、センベイ。これもタイや台湾からの輸入が増加し、ビスケットの原料である小麦粉は韓国、紅茶はスリランカと、数えればきりがない。
アメリカ、カナダ、オーストラリアから肉や穀類、果物。EC諸国からは、豚肉、乳製品、酒、加工食品。近隣のタイ、フイリピン、韓国、台湾、中国からは野菜、果物をはじめ、鶏肉や豚肉や加工食品。南米からは加工用の馬肉、飼料用穀類、それにコーヒーが輸入されている。筆者は世界の国々からの輸入食品がすべていけないと言っているのではない。他国の味を知ることは大切であり、理解を深めあう手段のひとつでもある。また、日本ではとても口にすることのできない珍味など、美味しいものもある。
さて、それにしも現状では、その大半が「アブナイ」のである。輸入農産物の場合を考えると、ほとんどが船による輸入である。船倉内でのカビや害虫を防ぐために、毒性の強い燻蒸剤(くんじょうざい)が用いられる。それは、また穀物倉庫や港に貯蔵中、品質の低下や病害虫、地区にカビ毒性菌が生育したりしたときには、その農産物全部を廃棄せねばならないので、そのための予防対策でもある。
燻蒸剤のはどんなものがあるかとえば、「リン化アルミニウム剤」「クロロビクリン」は、いずれも猛毒で散布をする人は防毒マスクを必要とする。微量でも吸入を続けると致死に至る。
「臭化メチル剤」は空気1リットル二10〜20ミリグラムで致死量となる。前の二つと同様、コメ、麦、豆、トウモロコシ、かんきつ類、栗などの貯蔵時に使用される。「酸化エチレン」は発がん性がある。この他にはDDPV剤や除虫剤などがある。船倉や貯蔵倉庫でもこうした劇しい毒性を持つ燻蒸剤(くんじょうざい)の使用は、残念ながら輸入農産物であるかぎり避けて通れないのが現状である。
輸入食品に発生するカビ毒は肝臓、腎臓、腸や肺においてガンをひきおこすアフラトキシンB1は、3大発がん物質の一つに数えられている。カビ毒には、オクラトキシンAやステリグマトシンなどがあり、いずれも発がん性が確認されている。他には20種ほどのカビ毒もある。こうしたカビ毒は、先にも言ったように、輸送や貯蔵中にどうしても発生しやすい。やむを得ない燻蒸殺菌ではあるが、当然これはその後に残留農薬として悩まされ続けることになる。
発がん性があるとしては禁止された酸化エチレンであるが、貯蔵倉庫で殺虫、殺菌のためには広く燻蒸剤として用いられている。このほか、明らかに遺伝毒性があり、遺伝子そのものに作用して、突然変異につながる化学物質もある。除草剤のトリアレート、スルファレート、ダイアレート、殺菌剤ではキャプタンなどが上げられる。
『いま、地球が危ない』
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