加藤のメモ的日記
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2023年04月25日(火) |
土壇場プーチンの衝撃シナリオ |
劣勢を覆す最後の手段に走る皇帝 ウクライナに核落とし
核ミサイルで原発を狙う
ウクライナの反転攻勢が勢いづいている。ロシアが一方的に併合を宣言した4州で、ウクライナ軍は要衝や集落を相次いで奪還。冬の到来を前にさらなる進軍を急ぐ。
「小型の核兵器を使うべきだ」 ロシア軍の攻勢を受けて、プーチン大統領の盟友、ロシア南部チェチェン共和国のカディロフ首長は、戦況を打開するには核ミサイルの使用も辞さないと発言した。防衛研究所・防衛政策研究所・高橋氏がこう警告する。
「前提としてロシアは核保有国であり、ソ連時代も含め核兵器を使用することに関して、何十年も研究している国であることを忘れてはいけません。ロシアと戦争をしている以上核兵器が使われる可能性は常にあると考えなければいけない。そのうえで、ロシアはどのような状況で、核兵器を使用するか、一つは核兵器を使えばこの戦争に勝利すると考えられるとき、もう一つは、逆に核兵器を使わなければ敗北してしまう時です。現在、ロシアは後者の状況にあります。
但し劣勢であっても、通常兵器で戦況を好転させられるのであれば、核兵器を使う必要はない。現在進めている予備役の部分動員による戦線の再構築がうまくいかなかった場合に、核兵器の使用が具体的な選択肢として浮上するでしょう」プーチンは9月下旬に国民の部分的な動員に踏み切ったが、国外脱出する国民が続出し高齢者や実戦経験のない若者までもが動員されている。
一方、ウクライナに新たに6億2500万ドル(約900億円)規模の武器供与を行うと発表し、高機動ロケット砲システム『HIMARS』など、西側の最新兵器がより充実していく。ウクライナ軍による奪還地域はさらに拡大する見通しだが、追い詰められたプーチンが取れる手段は限られている。
「まずは、ウクライナとの国境付近のロシア領で、核実験を行う可能性はあると思います。これならあくまでも実験と言い訳ができますし、同時にウクライナに対して核ミサイル発射の恐怖を植え付け、前線の戦意を削ぐことが期待できるかもしれません」(軍事ジャーナリストの菊池氏)
だが、是連スキー大統領は、ロシアによる4週の併合は無効だとする法令に署名しプーチンとの交渉は不可能だと断言している。核実験で奪還作戦にブレーキがかかるとも考えらえない。土壇場に追いこまれたプーチンが頼る最期の手段は、ウクライナに核を落とすすことしかない。
筑波大学名誉教授の中村氏が言う。「プーチンはすでに核兵器の使用を決断している可能性もあります。そしてそのシナリオは二段構えになるはずです。まずは戦術核でサポリージャ原発を狙う。国際法上はあり得ない話ですが、プーチンの論理でいえば、原発のあるサポリージャはロシアの領土になっています。つまり、ロシアの領土内にウクライナが侵攻している。ロシアの核戦略ドクトリン(基本原則)によれば、ロシアの国家的存続が脅かされたならば、核での反撃が認められています。ウクライナが国家的存続を脅かしたから、サポリージャ原発に核を落としたと正当化するはずです。
その結果、ウクライナが放射能で汚染されようと、プーチンは意に介しません。併合した4州に対する攻撃の仕方を見ても制圧した後に統治することなど考えていないことは明らかでしょう。国土を焦土にすることでウクライナ人の心を折り、屈服させるのが目的です」
ロシアが戦術核を使用したら、NATOはどう反撃するのか、元米陸軍欧州司令官のベン・ホッジス現役中尉は、英紙の取材に対し「ロシアが戦術核を使用したら、NATOは『通常兵器で』黒海艦隊をせん滅する」と答えている。
「プーチンは、NATO諸国が報復に核兵器を使わないと見越し、次の手として世界最大の原子力潜水艦『ベルゴロド』を動かしているようです。この潜水艦は、核弾頭を搭載できる新型原子力魚雷『ポセイドン』を積んでおり 大西洋で爆発すると、放射能物質を含んだ巨大な津波を」生じさせるといわれています。(前出・中村氏)
ロシアがウクライナに戦術核を使用し、NATOが反撃を加え、それに対してロシアがより破壊的な戦術核を使えば、世界は核ミサイルの応酬に巻き込まれる。全面核戦争も辞さないプーチンの狂気にNATOが恐れをなしたら、西側諸国はウクライナを見捨てるほかない。それこそがプーチンの思う壺だ。
900万人を超える死傷者
一方、NATOが核兵器で応酬したら、世界はアルマゲドン(世界最終戦争)に突入する。その場合「数時間以内に900万人を超える死傷者が出る」という衝撃のシュミレーションを行ったのが、米プリンストン大学公共国際問題大学院准教授のアレックス氏だ。1979年にグレーザー氏がユーチューブで公開した「プランA」と題した趣味レーション動画は、バルト海沿岸のカリーニングラードのロシア軍基地から核爆弾が発射され、ドイツとポーランドの国境付近に落ちるところから始まる。
ロシアのウクライナ侵攻開始後に改めて注目を集め、413万回以上再生されている。 グレーザー氏が語る。「冷戦の終結以来、今が最も核戦争の危険が高まっています。もしプーチンが核ミサイルを使い、NATOが核使用で応じたら、世界は破滅的なことになる。ロシアとNATOの間では対話ルートが機能していおらず、誤解によって状況が悪化し、核戦争が無制限な状態にまですぐに進展する可能性があります」
そしてグレーザー氏は最大の懸念が、プーチンの決断にあるという。「プーチンが今何を考えているのか、本当にわかる人はいない思います。プーチンの意思決定には、クレムリンの側近さえも関わることができない。プーチンも核ミサイルを一発撃ったところで、現在の局面が打開できるとはおそらく考えていないでしょう。しかし、プーチンが生き残るために核ミサイル以外にどんな方法を考えているのかがわからないことが最大の問題なのです」
現実味を帯びてきたプーチンの核落とし。最悪の事態を回避するには、プーチンの失脚以外に方法はないのだろうか。
『週刊現代』10.15
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