加藤のメモ的日記
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2023年04月23日(日) 1年以上飲んではいけない危ない薬リスト

冒頭で見た降圧剤以外にも、飲み続けることで予想外の悪影響を及ぼす薬が存在する。例えば、ジメリン(アセトヘキサミゾ)、、オイグルコン、グリミクロンなど。これらは、「SU剤」という種類の糖尿病治療薬だ。「この薬は(膵臓
)すいぞうにあるベータ細胞に鞭を打って、血糖値を下げるインスリンを無理やり出させる薬です。ところが長期的に飲み続けるとベータ細胞が疲弊してインスリンが出にくくなり、薬の量が増えていく。

SU剤は血糖値が正常になっても、薬を飲む限り際限なく効いてしまう薬です。そのため、飲み続けることで低血糖を起こす恐れがあります」(前出・江部氏)低血糖と聞くと手が震える、冷や汗をかくといった軽い症状を想像するかもしれない。だが、侮ってはいけない。重篤な場合には意識障害を起こして昏睡状態になり、死に至る恐れもある。

「こうして危険が認識されるようになり、SU剤の使用料は最盛期の半分から3分の1に減っています。その代わりに『DPP-4阻害薬』といった低血糖を起こしにくい、安全な糖尿病治療薬が使われるようになってきました。ところが薬の効果が強いこともあり、いまだにSU剤を処方し続ける医者もいる。私は『あまりに危険すぎるSU剤はこの世にいらない』と断言したい。

もし処方を受けている患者さんがいたら、すぐにやめてほしいと言うべきです」(江部氏)糖尿病は長く付き合っていく病気だけに、薬選びが重要になってくる。同じように長期にわたって飲み続ける人が多いのが「痛み止め」だ。なかでもロキソニンやボルタレンに注意が必要だと、たかせクリニック理事長の高瀬氏は言う。

「これらの薬は『非ステロイド性抗炎症薬』(通称NSAIDS)という種類の鎮痛薬なのですが、腎臓の血流を減らして腎機能を低下させる副作用があります。長く使い続けると、人工透析前まで行った人もいますし、心筋梗塞や脳卒中のリスクも上昇します」明白な危険がある薬にもかかわらず、現場では患者の「痛みを取りたい」という要望に合わせて安易に使われている。

「この薬を使うにはは本来、腎機能を評価する血液検査が必要ですが、高齢者は『クレアチニン』という血中の物質を基準にした従来の検査では、正確な計測ができません。一方、『シスタチンC』を検査なら高齢者も腎機能を正確に把握できますが、これを導入している医療機関はまだ少ないのが現状です」(高瀬氏)

NSAIDSを毎日飲み続ければ、3か月ほどで腎不全などの重篤な状態になることもあるという。取り返しのつかない事態になる前に、鎮痛薬をやめるか、種類を変えたほうがいい。

危険なのにやめられない

「整形外科でリリカ(ブレガバリン)、タリージエ(ミロガバリン)といった神経障害性疼痛治療剤を長期使用しているのも問題です。実は腰痛や坐骨神経痛への効果は実証されていないのですが、気休めで使い続けてしまう。長く使う中でめまい、ふらつきを起こす危険があります」(東京脳神経センター整形外科の川口氏)

睡眠薬・抗不安薬も多くの医者や薬剤師が長期処方の危険を指摘している。具体的にはデバス、マイスリー、ハルシオンなどだ。特にデバスは「鎮静作用が強く、頭痛や肩こりにも効くため、昔は万能薬としてバンバン処方されていた」(薬剤師・青島修一氏)という。

『週刊現代』P55


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