加藤のメモ的日記
DiaryINDEX|past|will
| 2018年09月14日(金) |
タワーマンションの15年後 �� |
売り手はリスクを伝えない
高級マンションブームの先駆けとなったのが、川口にある「エルザタワー55」だ。1998年に竣工した総戸数650、地上55階建て、高さ185メートルのこの物件は2015年に初めての大規模修繕工事を開始し、2年がかりで完成した。総費用は約12億円。単純計算で1戸あたり約185万円の負担だ。修繕に至る長い道のりを取材してきた住宅ジャーナリストの山本久美子氏は次のように語る。
「超高層の工事は通常の足場だけではできないうえ、エルザタワーは通常の足場だけではできないうえ、エルザタワーは低層・中層・高層でそれぞれ外観のフォルムが変化するデザインになっていて工事は難航することが予想されました。そこで修繕は、マンションを建設した元施工会社に工法の提案を依頼することから始まったのです」管理組合に修繕委員会を設置したのは2007年のこと。施工の妥当性や料金を、見積もるコンサルタントを募集したのは2012年になってからだった。
コンサルタント会社を1社に絞り、業務委託契約を締結したのが2013年。マンション所有者への説明会もきちんと開き、2014年に施工業者の決定にこぎつけました」(山本氏)途中3.11の影響もあったが、修繕完了までに10年。ただし、これは幸せなケースだエルザタワーのように投資目的の所有者が少ない物件は、管理組合もしっかりもしている。
だが新しく建てられたタワマンのなかには投資用に購入されているものも多い。最初の修繕時期にあたる築15年を超えるころには、すでに所有者が入れ替わっているケースが大半だ。しかも330戸をゆうに超えるようなタワマンでは、実際の入居者も子育て世代から外国人までさまざま。その全員が管理組合に協力的とはさすがに考えにくい。
こうした状況をさらに難しくするのがデベロッパーの態度だ。タワマンの売れ行きが好調はおり、あえて15年後に訪れる修繕の難しさなと、口にするはずがない。オラが総研代表の牧野氏はこう指摘する。「これまでデベロッパーは修繕積立金の費用負担を実際の想定以上に安く設定してマンションを販売してきました。タワマンは高層用のエレベーターやジムなどの共用設備が多く、修繕コストが膨らみやすい構造にあるにもかかわらず「戸数が多いから一人当たりの負担が少ない」と販売元は説明するわけです。ところがいざ修繕となると積立金が足りず、住民の間で大モメになる。こうした事態がこれから頻発するでしょう」
『週刊現代』8.18
|