81歳　肺腺がん 緊急入院1か月

「キイハンター」「ずっとあなたが好きだった」など数多くの人気ドラマで活躍した、女優の野際陽子さんが6月13日午前8時5分に肺腺がんのため、都内の病院で死去した。81歳だった。2014年に肺腺がんを患い、2015年に手術を受けていた。今年2017年5月中旬に体調が悪化し、入院していた。テレビ朝日系ドラマ「安らぎの郷（さと）」に出演中だった。葬儀・告別式はこの日、親族で行い、喪主は娘の女優・真瀬樹里（42）が務めた。

愛娘に看取られ

野際さんは娘の樹里ら親族のほか、所属事務所の関係者に看取られて亡くなったという。2014年に肺腺がんが判明したが早期発見だったこともあり、治療が功を奏した。女優活動は続けていたが、2015年に再発して摘出手術を受けていた。その後、抗がん剤治療などを行った。しかし、今年2017年5月中旬に体調が悪化。最後は肺炎を併発して亡くなった。

訃報が明らかになった15にちに密葬が営まれたが、野際さんの意志でお別れの会などは行わない予定。亡くなる直前まで「安らぎの郷」の収録に復帰する意思を持っていたという。野際さんは昨年4月、一部で肺がんを患っていることが報じられた。所属事務所は当時、「健康問題を含め個人的な事柄につきましては公にコメントすることは遠慮させていただきたい」とコメントしていた。

1992年のTBS系ドラマ「ずっとあなたが好きだった」でプロヂューサーを務めた青島誠一郎氏は「声が出ないという噂を聞いたので、昨年秋に連絡し、一緒に食事ました。ハイヒールでやって来て、お肉をおいしそうに食べていた。「今は声も出て、すっかり元気なのよ。心配しないで」と話していました。その時の姿を考えると早すぎる」と話す。NHKのアナウンサーから民放へ進出し、その後は女優や司会として活躍した。1966年に憧れていたフランスに留学。帰国後、ミニスカートを取り入れた最新のファッションで注目された。

千葉真一と離婚

1968年スタートのTBS系「キイハンター」で人気を獲得し、共演した千葉真一（78）と結婚。75年に真瀬を38歳11か月で出産したが、千葉とは1994年に離婚した。個性豊かな姑や母親役で人気を得た。「ずっとあなたが好きだった」」は、佐野史郎が演じたマザコン男の「冬彦さん」を溺愛する狂気を帯びた母親を演じて話題になった。他にもNHK連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」や大河ドラマ「新選組」などに出演。貴重な脇役として活躍を続けていた。


『日刊スポーツ』2017　6.16

加藤　 ｜MAIL