加藤のメモ的日記
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2017年01月27日(金) 安倍政治の総決算 ��

まるでカジノのルーレット

いまさら説明するまでもないが、首相としての中曽根氏の功績は、まず外交では、当時のアメリカレーガン大統領との間で「ロン・ヤス」と呼び合う信頼関係を構築して日米が「イコールパートナー」になることを目指し、それを可能な限り達成したことである。。国内でも、レーガン大統領やイギリスのサッチャー首相に倣い、規制撤廃と3公社(国鉄、日本電信電話、日本専売公社)の民営化などを、臨時行政改革推進審議会(行革審)会長を務めた。土光敏夫氏やm国鉄再建監査委員長に起用した亀井正雄氏らと共に文字通り命がけで成し遂げた。まさに「戦後政治の総決算」である。

それに対して安倍首相はどうか。選挙前に語っていた憲法改正への決意は、2014年の衆議院選挙と昨年の参議院選挙で「改憲勢力」が3分の2以上の議席を獲得したことで一気に前進するかと思われた。参院選後の新聞各紙も「改憲勢力が3分の2以上を獲得したことで一気に前進するかと思われた。参院選後の新聞各紙も「改憲勢力が3分の2議席を獲得し、国会で改憲を発議する要件が整った」などと伝えたが、細かく比較してみると、微妙に表現が違っていた。

現実には安倍流の改憲(自民党の改憲草案)に対する国民の本能的な反感を察知して時期尚早と判断したのか、改憲論議については参院選から半年過ぎても、事実上放置している。その一方では「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「投資を喚起する最長戦略」というアベノミクス「3本の矢」についてもキチンと総括しないまま、「1億総活躍社会」なるものを実現するための「強い経済」「夢をつむぐ子育て支援」「安心につながる社会保障」という「新3本の矢」を発表した。

その時の相手関係や世論の空気を読みながら、昨日までのことは忘れて今日求められたことを厚顔無恥に言ってのけ、結果については頓着しない。だから、その主張には一貫性がなく、まるでカジノのルーレットのように、投げた玉が止まるまで、当たりと外れのどちらに転ぶかもわからないのである。例えば当初、安倍首相はは「戦後レジームからの脱却」を標榜しアメリカを慌てさせた。アメリカが作った戦後秩序を見直し、第二次世界大戦の戦犯を裁いた極東軍事裁判(東京裁判)につても「勝者の判断によって断罪された」との見解を披露したのである。

ところが、それで警戒したアメリカに冷たくされて二進も三進もいかなくなったら、結局、アメリカ議会で「日本にとって、アメリカとの出会いとは、すなわち民主主義との遭遇でした」「戦後世界の平和と安全は、アメリカのリーダーシップなくして、あり得ませんでした」などと歯の浮くような演説を行い、戦後レジームからの脱却どころか、アメリカべったりの土下座外交、朝貢外交に転じてしまった。

その延長線上に出てきたのがハワイ真珠湾訪問であり、今や日米関係はイコールパートナーではなく、日本がアメリカに隷従する中曽根政権以前の時代に戻ったのである。しかも安倍首相は、アメリカの力を背景に強硬姿勢で中国に対峙していくという新しいパワーバランスのかたちを作ろうとしている。これは、いくら反日、嫌日であっても中国とはまろやかに付き合っていく、という従来の田中角栄的なアプローチとは正反対のやり方であり、対中関係が一層悪化するのは火を見るより明らかだ。

確かに今の中国におもねる必要はないと思うが、次期アメリカ大統領のトランプ氏がこれまでの対中政策をひっくり返そうとしている中では、火に油を注ぐ展開にもなりかねない。そうした安倍首相の足元の覚束ない”ルーレット外交”は、国益を大きく害することもある。その典型が、昨年のトランプ氏との直接会談だ。あそこで安倍首相はとんでもないババをひかされた、と私は見ている。


「ビジネス新大陸」の歩き方

週刊ポスト 1.13







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