加藤のメモ的日記
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2017年01月10日(火) 老年学会が見直し提案

平均寿命83.7歳

日本老年学会などは1月5日、現在65歳以上と定義される「高齢者」について、75歳以上に見直すよう求める提言を発表した。医療の進展や生活環境の改善により、10年前に比べて体の働きや知的能力が5〜10歳は若返っていると判断した。現在後期高齢者とされている65〜74歳は、仕事やボランティアなど社会に参加しながら、病気の予防に取り組み高齢期に備える「純高齢者」に区分。社会に支えられる側から、支える側に捉え直すことで、明るく活力ある高齢化社会につながるとしている。一方、日本の平均寿命83.7歳を超える90歳以上は「超高齢者」とした。提言をまとめた大内正義・虎ノ門病院院長は「高齢者に対する意識を変え、社会参加を促すきっかけになってほしい」と述べた少子高齢化の中、働き手、社会保障の支え手を増やす議論も加速しそうだ。

学会は,、脳卒中や骨粗鬆症などの病気や運動のデータを解析し、慢性疾患の受診率は低下し、生物学的な年齢が5^10歳若返っているとみている。知能の検査では最も得点の高い世代が40代から50〜60代に変化内閣府の意識調査で、65歳以上を高齢者とすることに否定的な意見が大半であることも考慮した。

昨年の総務省の推計によると、65歳以上は約3400万人で人口の約27%。高齢者を75歳以上とした場合は約13%に半減する。ただ高齢者の負担増には反発も大きく、年金の支給年齢の引き上げなど社会保障制度の見直しに関しては、国民の幅広い議論が必要としている。

世界では60〜65歳

世界保健機関(WHO)によると、2015年の世界全体の平均寿命は2000年から約5歳延び71.4歳。日本は83.7歳で、20年以上連続で世界首位を保っている。WHOでは高齢者の定義について「多くの先進国では定年となる60歳か65歳が高齢者の始まりとみなされている」と指摘。米政府も65歳以上を「高齢者」とした統計を多く発表している。平均寿命トップの日本が「75歳以上」と定義すれば、世界的な先行例となりそうだ。



『週刊朝日』1.6


加藤  |MAIL