加藤のメモ的日記
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2015年01月11日(日) がん哲学 ��

ゲノム時代の到来

今や、ゲノム時代であることは毎日のマスコミ報道からも周知である。2000年の6月、アメリカのホワイトハウスでヒトノゲム解読の記者会見が行なわれた。21世紀は遺伝子医療の時代到来といわれている。ヒトノゲムプロジェクト(全遺伝情報解読)の順調な進展により、生命科学(ライフサイエンス)と情報技術(IT)の融合が現実のものとなり、医学も大いに沸き立っている。まさに、「科学を持って産業を興す」時代である。

ヒトノゲムが解読されたといっても、遺伝子のすべてが解読されたわけではない。一個のアミノ酸を構成する四つの塩基(a t g c)の配列が決定されたということである。4つの塩基を持っているということは、生きとし生けるもの皆同じであり、また、約3万あるといわれる遺伝子の数も、ネズミも人も同じである。では、なぜ魚であり、かたやネズミであるのか。何がヒトとチンパンジーとを異ならせているのだろうかという疑問が当然出てくる。「知的遺伝子」なる者が存在し、ヒトとチンパンジーの違いを作っているのだろうか。現に「知的遺伝子」の探索というプロジェクトも世界で進められている。

ヒトとチンパンジーの遺伝子は約98.8%は同じといわれている。残り1.2%の違いがなんであるかがわかれば、ヒトとチンパンジーの違いの解明になるのであろうか。遺伝子を単純に比較することだけで、本当に違いがわかるのかは疑問である。人の体は1個の受精卵から出発し、その後、細胞分裂を繰り返し、成人は約60兆個の細胞からなっているといわれている。細胞一つひとつには、DNAがある。一つの細胞は約20ミクロンという大きさだが、細胞の核の中には染色体があり、染色体上には遺伝子がある。

一つの細胞を地球の大きさと考えよう。すると、染色体は国の大きさ。遺伝子が町で、塩基1個は一人の人間の大きさに例えられる。一つの細胞のDNAを採ってくると「ひも状」になり、その長さは約2メートルになる。DNAをひも状にし60兆個全部をつなぐと、単純計算では約1200億キロメートルになる。太陽系の直径は100億キロメートルなので、「人は宇宙を内包している」ともいえよう。



『がん哲学』樋野興男


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