加藤のメモ的日記
DiaryINDEX|past|will


2015年01月14日(水) がん哲学 ��

ガンの発祥部位と生活スタイル

日本で1年間に死亡する人は約90万人。そのうち、ガンによる死亡者は約30万人である。ということは、3人に1人はガンで死亡するということになる。ガンになる人は2人に1人といわれてている。ガンになっても半分の人は治る時代である。もし、残り半分の治らない人が2,3年早く診断されていれば約70%の人は治るといわれている。将来は「ガンでは死なない」時代が来るであろう。男性で一番多いのが肺ガン、次に胃ガン。第3位が肝臓ガンである。女性は肺がんが1位であるが、年々にガンは少なくなってきており、肺ガン、乳ガン、大腸ガンが増えている。男性は最近では天皇のガンで報道された前立腺ガンが増えている。生活スタイル、とくに食生活の変化によってガンの起こり方が変わってくる。

日本に住む日本人と、ハワイに住む日本人、また、アメリカに住んでいる日本人を比較すると、発生するガンのタイプに違いが生じていることがわかる。アメリカで生活すると乳ガンや大腸ガンが増加する。東京に住んでいる人は食生活が西洋型になっているため大腸ガン、乳ガンが増えている。これらのことからも、ガンの発生はその人の生活スタイルに依存することがわかる。逆に、生活スタイルを変えることで、ある程度はコントロールできる病気であることがわかる。つまり、実際論的には、ガンは避けられない病気ではないことがわかる。

ガンになるには必ず原因がある。しかし、発見された時には、すでにスタートの時点から長い時間が経ってしまっているので、「これがあなたのガンの原因ですよ」と説明することは難しい。「禍の起こるは起こる時に起こるにあらず、由って来るところ遠し」である。日本の肝臓ガンの場合は、引き金(トリガー)は、ほとんどが肝炎ウィルスによる。B型肝炎、C型肝炎のウィルスである。日本には、約300万人のウィルスのキャリア(保持者)がいるといわれている。その中のある人は、肝臓ガンになる。ではどうしてガンになるのか。その真の原因論的なメカニズムは、まだきちっと解明されていない。

睡眠中の遺伝子、活動中の遺伝子

肝炎ウィルスに感染したからといって、誰もが肝臓ガンになるわけではない。その人の肝細胞の内なる「ガン化遺伝子」に変異が起こり、長い時間をかけてあるものは臨床ガンになるのである。ウィルス感染は、あくまで引き金にしか過ぎない。ウィルスや発ガン物質、放射線、それらはみな引き金の役割であって、それ自身がガンを起こすわけではない。では、どうしてガンが発生するのか。その解明が世界中で、分子、遺伝子のレベルで日夜行なわれている。

肝炎ウィルスに感染していても、慢性肝炎が起こらなければ実際のところ、ガンには至らない。「慢性肝炎なくして肝がんの発生なし」である。つまり、ウィルスを持っていても、ヘルシー・キャリア(健康な保持者)で一生を終えられる。なぜ慢性肝炎になると、ある人はガンにまで進むのであろうか。慢性肝炎が起こることによって、発現してくる(活動し出す)遺伝子がある。この中のあるものは悪さをし、時にはガン化の進行モーメント(動因)となる。

コップの中に沈殿物(ガン化遺伝子)が静かに沈んでいるような状態では問題ないが、棒でかき乱された状態になると不安定となり、様々なことが起こってくる。これが慢性肝炎状態に例えられる。もう一度静止状態に戻すことを私は高ガン化状態から低ガン化状態に戻すことであると提唱している。ウィルスがいても慢性肝炎を押さえ、静止状態に戻せばいいわけで、その手段を私たちは追及している。所詮、私たちの体は内在性のウィルスも含め「ウィルスまみれ」であろう。

人間には約3万の遺伝子がある。正常な幹細胞で発現(活動)している遺伝子は約1万ぐらいといわれている。ガンになり得る遺伝子(ガン化遺伝子)は誰もが持っている。肝臓を構成している細胞、腎臓を構成している細胞など、部位によって発現している遺伝子がそれぞれ違う。眠っている遺伝子もあれば、発現しているものもあり、活動状態が違う。どの細胞も同じ遺伝子を持っているが、もしも細胞が全部同じように遺伝子を発現(この場合、タンパクを作る)し始めたら、違いがなくなって大変なことになる。「違いがあることが正常」なのである。人の体は、「個性と多様性の統一体」である。


『ガン哲学』樋野 興夫


加藤  |MAIL