加藤のメモ的日記
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2014年10月21日(火) 朝日新聞の「慰安婦問題を考える」を検証する ��

朝日新聞が8月5日、6両日に掲載した特集「慰安婦問題を考える」はいくつかの視点の欠落があり、検証というにはあまりにも不十分な内容だった。朝鮮人女性を強制連行したと証言した自称・元山口県労務宝国会下関支部動員部長、吉田清次氏の証言に関する記事16本を取り消したのはよいが、その他の論点に関しては自己正当化や責任転嫁、他紙の報道をあげつらう姿勢が目立つ。歴史を直視しようとしない朝日新聞の報道姿勢に改めて疑念を抱かざるを得ない。5月19日、北九州市内のホテルで、朝日新聞西部本社のOB会が開かれた。OBできた九州在住の伊東毅氏は手を挙げて来賓に招かれた木村伊療社長にこう訴えた。「慰安婦と女子挺身隊の混同、吉田清次氏の嘘の2点については訂正、削除して朝日の名ではっきり示してほしい。それを何としてもやるべきではないか」

木村社長は「貴重なご意見をいただいた。詳しいことはここでは言えないが、いずれ検証したい」と応じたという。この出来事は、朝日新聞社内でも、自社の慰安婦報道に問題があることが認識されていることを物語っている。にもかかわらず、2日間にわたる特集に謝罪の言葉はなく、言い訳に終始した。

5日の特集では、見開きで「慰安婦問題 どう伝えたか 読者の疑問に答えます」と大見出しを打ち、「強制連行」「済州島で連行 証言」「軍の関与示す資料」「挺身隊との混同」「元慰安婦の初の証言」の5つのテーマを検証している。ところが虚偽と断じて記事を取り消したのは、吉田氏による強制連行に関わる証言だけだった。挺身隊と慰安婦の混同については「まったく別」で「誤用」と認めながらも、当時の研究の乏しさを理由に釈明を重ね、「1993年(平成5年)以降、両者を混同しないようつとめてきた」とむしろ胸を張った。

果たしてそうなのか。朝日新聞の4年3月7日付のコラム「透視鏡」ではこう記している。「挺身隊と慰安婦の混同に見られるように、歴史の掘り起こしによる事実関係の正確な把握と、それについての日韓両国間の情報交換の欠如が今日の事態を招いた一因」つまり、この時点で挺身隊と慰安婦が全く別の存在だと把握しながら、自らの誤用を認めることも、訂正することも拒んできたことになる。

産経新聞が今年5月、朝日新聞広報部を通じて、慰安婦と挺身隊の混同や強制連行報道について「今もなお正しい報道という認識か」と質問したところ、こんな回答を得た。「従軍慰安婦問題は最初から明確な全体像が判明したという性格の問題ではありません。(中略)お尋ねの記事は、そのような全体像が明らかになっていく過程のものです。当社はその後の報道の中で、全体像を伝える努力をしています」初めは全体像がわからなかったから、間違いを書いても訂正しなくてもよいといわんばかりではないか。しかも、今回の特集まで朝日新聞に慰安婦問題の「全体像を伝える努力」はうかがえなかった。

今回取り消した吉田証言についても、5月の段階で「訂正する考えはあるか」と質問したところ、次のように答えている。「弊社は1997年(平成9年)3月31日付朝刊特集ページで、証言の真偽が把握できないことを詳細に報じ、証言内容を否定する報道を行なっています」事実はどうだったか。9年3月の特集ページでは、吉田氏について「朝日新聞などいくつかのメディアに登場したが、間もなくこの証言を疑問視する声が上がった。済州島の人達からも、氏の著述を裏付ける証言は出ておらず、真偽は確認できない」と記しただけである。

吉田証言を16本者記事で取り上げておきながら「真偽は確認できない」の一言で済ませ、「証言内容を否定する報道」を行なったとはいえない。むしろ過去の記事の過ちを糊塗しようという意図が浮き上がる。今回の特集でも、自社が吉田氏のどの証言をどう取り上げてきたかについてはほとんど触れていない。これでは何の事だか分からない読者も少なくないだろう。



『産経新聞』10.21


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