加藤のメモ的日記
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| 2014年10月14日(火) |
世界が見た安倍政権 �� |
「水割」みたいな薄い議論
フランスの「フィガロ」紙東京特派員のレジス・アノール氏も、朝日新聞を巡る今回一連の騒動に唖然としたという。
「今回の朝日叩きは、政府によるメディアリンチですよ。これは大罪です。そのうち、『慰安婦を組織したのは朝日新聞だった』などと言い出すのではないでしょうか。それくらいバカげたことをやっていると思います。今回の騒動で思い出すのは、1997年に話題になったアイリス・チャンの遺作『ザ・レイプ・オブ・南京』の騒動です。あの時、日本の保守派の政治家たちは次のような詭弁を弄しました。『この本に書いてある内容は、間違いだらけである。ゆえに南京大虐殺の証拠にはならない。ゆえに南京大虐殺は存在しなかった』いまの日本の右傾化した政治家たちにも、同様の詭弁が見られるのです。『朝日新聞は、慰安婦問題に関して間違った報道をした。ゆえに慰安婦に対する日本軍の関与を、日本政府が認めた1993年の河野談話は間違っていた。ゆえに日本軍は慰安婦に関して関与していない』こんな論理がまかり通って要わけがありません」
アルノー特派員は、朝日新聞の「誤報の功罪」についても言及する。 安倍首相をはじめとする日本の右傾化した政治家たちは、『朝日新聞は国際社会における日本のイメージを損ねた』と声高に叫んでいますが、事実は正反対です。仮に日本のメディアが、産経新聞のように報道してきたなら、今頃日本は国際社会において、世界のどの国からも相手にされなくなっていたでしょ」
ドイツの『エナジー&マネジメント』紙でアジア問題を担当するカテリーナ・オッセン記者も辛辣だ。「朝日新聞の問題によって、日本のリベラル勢力が衰退していくことは、日本人にとって不幸なことです。なぜなら、リベラル勢力の衰退によって、安倍政権はその勢力のほとんどを、日本を右傾化させることに費やしているからです。その結果、日本経済は停滞し、アベノミクスは、今やEUで笑いものになっています。米オバマ政権は多くの批判を受けながらも、アメリカの株価を史上最高値に持って行きました。それに比べて安倍政権は、日経平均を過去の最高値の半額にさえ持っていっていません。それでも今後、消費税を10%にして、日本経済をさらに停滞させようとしているのだから、言葉もありません」
前出のアルノー特派員が続ける。「朝日新聞を巡る議論を見ていると、日本全体が日本人が好む『水割り』のようになってきていると感じます。それくらい『薄っぺらい議論』なのです。思えば、右派と左派が健全に口角泡を飛ばしていた時代、日本は政治的には民主主義が成熟し、経済的には人類史上の奇跡ともいえる発展を遂げました。ところが今の日本は、左派の瓦解によって、半身不随の状態にあります。脳の半分しか使っていないのです。右派は反対意見に耳を傾けることもなくなり、日本の民主主義は危機を迎えています」
こうした世界の識者たちの声に対し、「安倍政権は良くやっている」「悪いのは朝日新聞だ」と反論する人も多いだろう。だが、そうであったとしても我々日本人が考えている以上に世界が日本を、急速に見放しつつあるということだけは知ってほうがいい。
『週刊現代』10.11
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