加藤のメモ的日記
DiaryINDEX|past|will


2014年10月23日(木) 朝日新聞の「慰安婦問題を考える」を検証する ��

強制連行に関する検証も、朝日は平成3〜4年ごろは自明の前提として報じており、、平成4年1月12日付の社説「歴史から目をそむけまい」では「『挺身隊』の名で勧誘または強制連行」と断じている。その後、強制連行説の雲行きが怪しくなってくると、徐々にトーンを弱め、「強制連行の有無は関係ない」というふうに変えていった経緯があるが、そうした事情も説明していない。

今回の特集では「読者の皆さま」に「軍などが組織的に人さらいのように連行したことを示す資料は見つかっていません」と言いながらこうも書く。「インドネシアや中国など、日本軍の占領下にあった地域では、兵士が現地の女性を無理やり連行し、慰安婦にしたことを示す供述が、連合軍の戦犯裁判などの資料に記されている。インドネシアでは現地のオランダ人も慰安婦にされた」兵士の個人犯罪や、冤罪の多い戦犯裁判の記録を持ち出しなおも「日本の軍・管憲による組織的な強制連行」があったかのように印象操作していると受け取られても仕方あるまい。「軍関与示す資料」とは、朝日新聞が平成4年1月付朝刊で大きく展開した記事「慰安婦 軍関与示す資料」を指す。

政府の河野談話の作成過程検証チームは6月20日、この「主として朝鮮人女性を挺身隊の名で強制連行した。その人数は8万とも20万ともいわれる」と事実ではないことを書いた記事についてこう指摘した。「朝日新聞が報道したことを契機に、韓国国内における対日批判が過熱した」ところが、朝日新聞の5日の特集では、自社の報道が日韓関係を悪化させたという認識は欠落している。朝日が繰り返し取り上げたことで、吉田証言が韓国でも広く知られるようになり、それが対日感情を悪くしたことへの言及もない。

6日付の特集では、わざわざ1ページを割いて「日韓関係 なぜこじれたか」と題する解説記事を載せたが、ここでも自社の報道が両国関係をこじらせたことへの反省は見られない。「元慰安婦 初の証言」は、元朝日記者の植村隆氏(今年2月退社)が3年8月11日付け朝刊で書いた「元朝鮮人従軍慰安婦 戦後半世紀重い口を開く」という記事を指す。

韓国メディアより先に初めて韓国人元慰安婦の証言を伝えたもので、これも「母に40円でキーセン(朝鮮半島の芸妓)に売られた」と別のインタビューなどで語っている金学順氏について「『女子挺身隊』の名で戦場に連行」と記している。この誤った記事が慰安婦問題に火が付いた大きなきっかけとなったが、朝日は検証で「意図的な事実のねじ曲げなどはありません」と非を認めなかった。少なくとも事実と異なることを流布させたのだから、せめて謝罪や訂正があってもしかるべきだが、それもない。

6日付の特集は「米国からの視線」と題し2人の米国人識者のコメントも載せたが、2人とも朝日新聞の慰安婦報道に触れていない。無意味ではないか。問題点は他にもある。朝日新聞は「他紙の報道は」という欄を設け、産経、読売、毎日各紙もかって吉田証言を取り上げたり、慰安婦と挺身隊を混同したりした例もみられたと指摘した。「お互いさまじゃないか」と言わんばかりなので、朝日新聞の9年3月31日付の慰安婦に関する社説「歴史から目をそらすまい」を引用したい。

「他の国は謝っていないからと、済まされる問題でもない」朝日新聞の慰安婦報道により国際社会で日本の評価がどれほど不利益を被ったか。今後も検証していかねばならない。


『産経新聞』10.21


加藤  |MAIL