加藤のメモ的日記
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| 2014年10月13日(月) |
世界が見た安倍政権 �� |
東京・築地の朝日新聞本社内に支局がある『ニューヨーク・タイムズ』のマーティン・ファクラー東京支局長も、安倍政権の激しい朝日攻撃に、眉をひそめる一人だ。
「周囲の朝日新聞の記者たたちは、今やすっかり意気消沈していますが、逆に朝日問題にかこつけて、言いたい放題なのが安倍政権です。朝日の報道がウソだったからといって、慰安婦問題自体がウソだったことにはなりません。そもそも慰安婦問題で世界が日本を批判したのは、朝日の報道によってではなくて、元慰安婦の女性たちが証言を始めたからです。韓国ばかりかフィリピン、オランダ、オーストラリアからも同様の証言が出てきています。朝日を執拗に非難する安倍政権や右派の人々と、世界との乖離を感じます」
テンプル大学ジャパンのジェフリー・キングストン教授が証言する。「いま日本で起こっている状況は、報道問題というより政治問題です。安倍首相と保守派が。国家アイデンティティーを再定義したいがために、朝日に対して政治闘争を仕掛けているのです。朝日の慰安婦報道で問題になった『吉田証言』は、極めて古いものであり、朝日新聞が最後にこの件を取り上げたのは、15年以上も前のことです。安倍首相が率先して行なっているようにも見受けられる今回のヒステリックな朝日叩きによって、日本の国際的イメージは、恥を晒すことになっていると映るからです。
例えば、ドイツは過去の残虐行為に対して十分な補償を行なったからこそ、威厳を取り戻すことができました。今の日本で、日本の威厳に泥を塗っているのは朝日新聞ではない。過去の日本軍の蛮行を否定したり、矮小化しようとしている人々だということを、日本人は自覚すべきです」
第二次大戦も否定する気か
日本在住のアメリカ人ばかりか、アメリカ国内でも、今や「安倍首相の朝日批判」は、異常事態と受け止められている。ワシントンの著名な政治ジャーナリストのクリス・ネルソン氏が警笛を鳴らす。「私は1967年から、ジャーナリストとして政権とニュースメディアとの関係を注視してきましたが、今回組織的な朝日叩きのようなことが起きたときは政治が危機になる時です。ヒステリックな朝日批判が、日本政府のトップレベルから発せられていることが問題なのです。
ワシントンから見ていると、安倍首相は朝日を批判することで、従軍慰安婦問題そのものを無きものにしようとしているように映る。それによる国際社会の日本に対するイメージ 悪化を考えると、日本は早く次の健全な首相の登場を待つべきかもしれません。実はオバマ大統領も、慰安婦問題を非常に重視しています。4月に訪韓した際にも、『日本政府に正しい歴史認識と誠実さを求める』と、はっきり述べています。今回の朝日新聞問題でも、ホワイトハウスは安倍政権を『信じられない』という目で見ているのです」
ノースカロライナ州のウェクフォレスト大学で日本近現代史を教えるロバート・ヘリヤー教授も日本を憂える一人だ。「最近私のもとにある人から、朝日の誤報騒動によって、米日関係にも重要な悪影響が出るように思います。それは安倍政権と日本の保守派が、朝日新聞を攻撃することにより、第二次世界大戦における日本軍による殺戮行為そのものを否定しようとするのではないか、という危惧を抱かせるからです」
米スタンフォード大学アジア太平洋研究センターのダニエル・スナイダー副所長も同意見だ。「今回のヒステリックな朝日叩きは、日本における言論の自由の危機、デモクラシーの危機、歴史的事実の危機という三つの危機を露呈させました。今の日本で起こっているのは、ずばり『言論テロリズム』です。そのうち、安倍自民党の一党独裁国家になってしまう危険性を孕んでいます」
ヨーロッパでも同様に、安倍政権の右傾化に対する危惧が広がっている。ドイツ高級紙『フランクフルター・アルゲマイネ』紙の元東京特派員で、ロンドン在住ジャーナリストのバーバラ・オードリッチ氏が、EUから見た日本への不安について語る。「朝日新聞は、原発と戦争責任という非常に重要な二つの問題を提起したわけで、方向性は誤っていなかった。なぜなら、福島原発も戦争責任もこれまで日本政府が隠蔽してきたことで、朝日はそれらの追及を行なってきたからです。それを安倍首相は、右翼的発言で封殺しようとしている。
安倍首相が唱える愛国主義と、EUで盛り上がったスコットランドやカタロニアの独立運動とは、一見すると似た潮流に見えますが、実は似て非なるものです。なぜなら、安倍首相の愛国主義は、日本国民の広範なコンセンサスを全く得ていないからです。安倍首相は『積極的平和主義』を唱えていますがEUから見れば『積極的右翼主義』にしか見えません。EU市民が安倍首相に評価を下すなら、ABEの頭文字の『A評価』ではなく、最後の文字の『E評価』(不可)です」
『週刊現代』10.11
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