加藤のメモ的日記
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だが、イランに起こったモダデク首相のアングロ・イラニアン石油国有化は、CIAの偽装クーデター事件を招き、莫大な利権を得た人間たちがケネディー政権を動かし、独裁者パーレヴィ国王に秘密警察サヴァクを創設させ、恐怖の白色革命ンを促した。この虐殺時代に、宗教指導者ホメイニ師が蜂起を呼び掛けてイラン革命を成功させると、隣国イラクに謎の独裁者サダム・フセインが登場してイラン・イラク戦争をもたらした。そこに暗躍していたのは、イラン・コントラ武器密輸事件で武器を送り込んだブッシュだちであり、その密貿易を知っていたのは、ウサマ・ビンラディンの兄サレム・ビンラディンであった。
最後の第四章では、スエズ動乱と、日本に最も身近な湾岸6カ国をめぐる油田争いがある。スエズ運河を乗っ取ったイギリスに対して、エジプト自由将校団のナセルが国家独立を精巧させ、それを妨害するイスラエルがスエズ動乱の陰謀を計画し、エジプトは苦境に巻き込まれた。スタンダード石油のロックフェラー・ファミリーはその時代から、クウェート、バーレーン、カタール、アラブ首長国連邦、オマーン、イエメンまでイギリスの影にあって次々と紛争の手伝いをしてきた。
巨大なブルガン石油が発見されたクウェートでは、アラブ国家に言葉巧みに西側への投資を誘導し、サッチャー政権時代のブリティッシュ・ペトロリアム民営化では、謎に包まれたクウェートの株買い占め事件が起こる。これら天文学的な資金は、アメリカとイギリスに還流していたのである。悲惨だったのは、砂漠のオアシス・ブライミの石油紛争に巻き込まれたアラブ首長国連邦とマスカッド・オマーンであり精油所を抱えるイエメンのアデンに起こった悲劇であった。これらの諸国に今、アメリカが続々と軍隊を送り始めた。
子の中東旅行で判然とするのは、イスラム諸国に紛争が起こっているのではなく、まぎれもなく石油産出国に紛争が起こっているという事実である。それは、アメリカとイギリスから持ち込まれた利権紛争であり、世に語られている文明論や宗教論とは無関係だということである。そこに現在、膨大な数の民衆の怒りが蓄積され、ついに発火し始めたのである。2002年5月には、アラブ諸国で反米ボイコット運動が広大な範囲に起こり始めた。イスラエルを支援するアメリカに対する本格的な大衆運動である。
『世界石油戦争』 広瀬 隆
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