加藤のメモ的日記
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●法則 6 記憶力の訓練には、対象物の新しい印象を取り込むことよりも、過去に記録された印象を思い起こすことが大事
「法則5」と非常に似ている法則です。細部が思い出しにくいからといって、すぐに対象物を再確認したりせず、できる限り記憶に頼るべきだということです。記憶はどんどん使って鍛えるべきもの。対象物が目の前にないときだけ、仕方なく使うものではありません。そんなことをするのは、わざわざ記憶力を鍛えるよりも簡単でいいからと、掛け算が必要な場合に備えて九九の表を持ち歩くようなものです。古い印象を呼び戻すよりも、対象物の新しい印象を取り込むことに頼ってしまうと、結局は何も身につかず、何度も振り出しに戻って一から覚えることになるでしょう。
●法則7 対象物を初めて観察しているとき、つまり過去に記録された印象がないときは、似ている印象を思い出して、連想のチェーンをつくればよい
新しい対象物の印象を取り込みやすくする法則です。新しいものを過去に覚えたものと結びつけることにより、連想のチェーンをつくり、すでに頭の中に定着している印象に新しい印象をつなげることができます。法則5の、「対象物について新たに観察した細部の印象を、すでに記録されている強い印象と結びつける」のと同種の法則です。
トンプソンという名の男性に会い、覚えにくいと思ったら、すでにいるトンプソンという友人と同性の人だと考えれば、忘れることはありません。二人の男生徒その名を記憶の中でリンクさせ、連想のチェーンをつくってしまえば、新しく知り合った方の名を覚えるのはとても簡単です。そして新しい対象物を覚えるときは、すでに知っているものの中で最も関連性の強いものと結びつける努力をしましょう。類似性のある過去の印象と結びつけることができれば、心は新しい印象を古い印象の一部として認識し、新入りの印象ととして扱わなくなります。心はどうやら保守的なようで、古い友人の知り合いだと思えば新顔とも仲良くできるようです。
●法則8 連想のチェーンをつくれば、一つの印象から次々とつながるようにして、他の印象がよみがえる
あるものの一部が思い出されると、心は同じものの他の部分もスムーズに思い出します。ですから、たくさんのものをつないでチェーンをつくり、どのパーツも全体の一部にすると、どこからスタートしてどちら向きに進んでも、チェーン全体をたどっていくことができます。一つのテーマのさまざまなパーツを、できる限り論理的な順番で並べてチェーンをつくるといいでしょう。新しいパーツをあとから適切な場所に入れれば、古いパーツと一緒に呼び出されます。ものでも考えでも、思い出すときに連想の効果は大きいものです。
子供にとってアルファベットのHを思い出すのは簡単で、なぜならGを知っていて、それがHと結びついているからなのです。連想という点については多くの事柄に関する私たちの記憶力も、子供にとってのアルファベットや掛け算九九表の記憶力と驚くほど似ています。思い出したいことがあるのに思い出せないときは、チェーンの端を見つけて、思い出したいことにたどり着くまで、たぐり寄せていけばいいのです。
自分が住んでいる町の交差道路をランダムに思い出そうとしても普通の人には難しいものですが、最初の通りから始めれば、さほど苦労せずに正しい順番に並べ替えることができます。同様に、子供がアメリカ合衆国の歴代大統領やイングランド国王の名を挙げるとき、ワシントンやウィリアム一世から始めれば簡単にいくことがあります。ところが「順番をめちゃくちゃにして、全部の名前を言ってごらん」というと、とたんにやりにくくなるのです。
人が一番思い出しやすいのは、直前か直後に入ってきた印象と頭の中で結びつけられているものか、何らかの規則でつながっているものです。頭の中でチェーンをつくるときは、アルファベットや歴代大統領名の規則に従い、最初の項目をしっかりと頭に植え付けてから、次の項目を加えていきましょう。
●法則9 対象物の観察や調査には、五感を最大限に活用すること
同じものが対象でも、心に記録される印象は知覚器官によって異なります。したがって、複数の感覚を使えば、使う感覚の数だけ印象を取り込めることになります。名前や日付を覚えようとしているのなら、繰り返し声に出すだけでなく紙に書いて目で確認すれば、音という抽象的な印象に加えて視覚的な印象も取り込むことができます。こうすれば、取り込んだ印象を思い出すときに、全体の印象、音の印象、紙に書かれたものの印象を活用できます。
人前で朗読をする人は、朗読しているページの単語やパラグラフが書かれているとおりの形で心の目に浮かんでくると言います。説教の内容を頭の中で練り上げて、ろくにメモも用意せず演壇に立つ教師も、まるで原稿に書かれているように、パラグラフの構成と、各パラグラフの最初の単語が、ちょうど話がそこに差しかかろうかというタイミングで見えるのだと言います。演説や講演をする人たちも同じ経験をしています。一、二回声に出して言わなければ名前を覚えられないという人は、大勢います。記憶力の訓練が上達してくると、この法則を実感できることがたくさんあるでしょう。
●法則10 弱い感覚は、その感覚に合った方法で鍛えれば大幅に改善できる
特定の感覚を通して取り込んだ印象が思い出しにくい場合は、鮮明な印象の記録が可能になるように、その感覚を鍛えましょう。できるだけ多くの感覚を鍛えるほど、鮮明に受け取れる印象も多くなります。鮮明に取り込んだ印象が増えると望むものが見つけやすくなりますから、探しているものがずっと簡単に手に入れられるようになります。
●法則11 ある印象を思い出せないときは、その印象と同時に受け取られた印象か、関連性のある要素を思い出す努力をすれば解決できる場合がある
人の名前を思い出せないときに応用できる法則です。相手の名前が顕在意識の領域に出てきてくれないときは、アルファベットを一文字ずつ、ゆっくりと検証していきましょう。名前の最初の文字を考えていると、名前自体の印象がよみがえってくることがよくあります。名前の最初の文字は名前全体よりもはっきり記憶されることが多く、最初の文字を思い出せば、連想によって名前のそのものがよみがえってくるのです。
この方法がうまくいかなければ、相手の容貌や話し方、最初に名前を聞いたのはいつ、どこだったかなどを思い出す方法に切り替えましょう。人ではなくてものの名前の場合も同じ方法を使い、どんな状況だったか、どんな性質を持ったものだったか、といったことを思い出してみましょう。
●法則12 ある印象を思い出したいときは、それとつながりのある明確な印象を思い出し、同時に取り込まれていた他の印象をよみがえらせること。見境亡く思い出そうとするよりも、この方が効果的である。
法則11を実行しても、同時に受け取った印象も構成要素も思い出せない場合は、思い出したいことと何らかのつながりを持つものの印象を思い出す努力をして、対象物に、そして可能であれば、その印象が記録されたときの状況に、できる限り近づきましょう。印象を受け取ったときの状況に戻っている自分を想像すれば、頭の中でいろいろな考えが活動し始めて、望むものを顕在意識の領域に連れてきてくれるでしょう。
●法則13 意識的に思い出そうとして失敗した印象が、あとで自然によみがえってきた場合、将来利用できるように、その直前に顕在意識に入ってきた印象を覚えておくこと
ある印象を思い出すことを心が拒絶したのに、あとになって自然によみがえってきたとしたら、それはもちろん潜在意識の働きです。けれど少し注意深く調べてみると、その印象が顕在意識の領域に入ってきたのは別の印象のすぐあとで、二つの印象には一見、明らかなつながりがないことがわかります。思い出せなかった印象の直前に顕在意識の領域に入ってきた印象を覚えておけば、長い時間が経ってから同じことをまた忘れたとしても、思いのままに呼び戻すことができます。二つの印象の見えにくいつながりに気づくと、思考が活発に動き始め、記憶という深遠なテーマをさらに深く知るための鍵が手に入るでしょう。
『記憶力』ウィリアム.W.アトキンソン
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