加藤のメモ的日記
DiaryINDEX|past|will
「記憶」は消えない。技術さえ身につければ、どんなときも意識の中から引き出すことができる
覚えておいてほしい法則があります。
ここで取り上げる《13の法則》を読んで、記憶によって印象が取り込まれる際、印象の受け取り、記録、再生がどんな法則に支配されているのかを把握しましょう。どの項目も興味深く、「記憶」と呼ばれる精神活動を支配している法則を、しっかり理解するための手助けになるでしょう。
●法則1 集中力を使って鮮明な印象を取り込めば、あとから思い出しやすくなる
これまでも述べてきたように、最小限の努力で思い出せるような形で頭に記録したいなら、対象物の印象に向けて心を集中することが必要です。一般的に印象の強さは、対象物に向けられた注意力と興味の量に正比例すると言えます。従って、明確な印象を記録できるように、注意力と興味を強化するのが何よりも大事です。私も含めて多くの人が、この方法で着実に記憶力を鍛えてきました。
●法則2 最初に印象を受け取ったときに、明確に記録すること
最初に受け取った印象が鮮明であるかどうかは、多くのことを左右します。あるものの印象は、最初に記録された印象の上に築かれていきます。最初の印象が鮮明でない場合、欠けている部分をあとから修復するのは非常に難しいため、最初の印象を削除して、新たに最初の印象を記録するという作業が必要になります。そうしなければ、記憶が混乱してしまうのです。ですから印象を最初に受け取るときは、可能な限りの注意力と興味を対象物に注ぎましょう。
●法則3 最初からあまり細かい部分まで覚えようとしないこと
この法則を守れば、不必要な努力もエネルギーの無駄遣いもしなくてすみます。最初は対象物の大まかな姿をとらえることに専念し、マスターできたらそれ以外の重要な情報を徐々に取り込んでいきましょう。次に、重要さのランクが落ちる情報、最後にそれほど重要でない細部の情報を取り込みます。対象物を全体的に把握しようとすると、他の要素に比べてきわだって見える要素がいくつかあります。他のことは無視して、まずこういった要素に集中して鮮明な印象を取り込み、そのあと作業を中断して、対象全体をもう一度見渡します。すると今度は別の要素がいくつか際立って見えますから、これを取り込みます。対象物を完全に把握するまで、この作業を繰り返してください。この方法で、段階別の完全な記録を保管することができ、どの部分も簡単に思い出すことができると同時に、その部分と他の部分との関連にも気づくでしょう。このやり方以外に、合理的にものを観察する方法はありません。
このメソッドにしたがう際、対象物を一本の木だと考えるとやりやすくなります。まず地面から初めて、幹を完全に把握し、大きな枝、小枝、さらに細かい枝というように進めていきましょう。新しいことを学ぶときは、そのテーマに関するごく初歩的なものを読むことから初め、それをマスターしたら、読むもののレベルを上げていきます。多くの人は、いきなり高度なレベルのものから読み始めるという過ちをおかし、結局、何も完全に習得することなく、テーマ全体を曖昧に把握するだけで終わります。何かを学ぶときには、初心者向けの本を読む前に、一般的な百科事典の説明をじっくり読むようにとすすめる教師もいます。「歩く前に這う」のが自然の法則です。学習や記憶も、例外ではありません。
●法則4 煩雑に思い出すほど、印象は鮮明さを増していく
記憶力強化プランの土台になる法則です。もしもこの法則を取り上げられたら、プラン全体が崩れ落ちてしまうでしょう。ここで言っているのは、最初に受け取った印象を意識的に思い出すことで同じ対象物からもう一度印象を受け取ることではありません。このメソッドを実践すると印象が強化されるだけでなく、意志が自分の役割を果たすよう鍛えられるため、短期間のうちに、必要な印象をほとんど自動的に思い出せるようになります。何度も思い起こすことで印象は半永久的に心に焼き付けられ、最小限の努力で蘇ってくるようになるのです。
最初の二つの法則を実践することで、かなりの鮮明さで印象を受け取れるようになります。そして常に訓練と復習をすることで、覚えたいことの印象が深く、くっきりと刻まれていくでしょう。この分野で多くの著書を持つある人物は、初対面の男性と一晩中過ごした男性が、数日後に相手と再会してもわからなかったという事例でこの法則を説明し、「もしも初対面の相手と過ごした時間がたった5分でも、それを毎日、2週間続けていれば、次に会ったときにすぐわかったはずだ。繰り返して会うことで、印象が強く心に記録されるからだ」と指摘しています。
●法則5 印象を思い起こすときは、印象の元になっている対象物をなるべく再確認しないようにすると、永続性のある強い印象になる
この原則については、レッスン4「視覚を通した認識と記憶力」で触れました。ポイントは、頭の中で何度も思い起こす作業が大切だということです。もちろん細部が把握できていないこともあるでしょう。欠けているものを確認するために、対象物を再確認しなければならないこともあるでしょう。しかしまず、記録されたものをはっきり思い出して、印象を鮮明にすることに務めましょう。あとから確認した細部についても同じ作業を行なうと、思い出すたびに細部が補われて、完全な姿に近づいていきます。
なんとなくものを見ることを一ヶ月間、毎日繰り返しても、手に入る情報は限られています。まず対象物を注意深く観察し、次に頭の中や紙の上で印象を再現するという作業を一週間繰り返して、毎日新たな情報を取り込むのが正しい方法です。一日目の観察では強い印象を残さなかった点だけを二日目に観察し、両方を復習したり思い出したりして、新たに観察した点を一日目の印象に加えていきます。「いい加減に聞いた教訓は頭に残らない」ということを覚えておきましょう。
『記憶力』ウィリアム・w・アトキンソン
|