加藤のメモ的日記
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2013年11月12日(火) 世界の貧困 ��

豊かな世界では、貧しい人々は目に見えない存在になっている。彼らが占める場所に、金持ちが踏み込んでくることはない。グローバルな通信複合企業が好んで描く、進歩の壮大なドラマで、貧しい人々は通行人の役を与えられているにすぎない。国際ニュースの中で貧しい人たちが取り上げられるのは、主にこけおどしやチャリティの呼び物としてである。


合衆国での底辺の生活

合衆国でも貧しい人たちは見えないところへ追いやられ、豊かさの圧倒的なイメージによって覆い隠されている。合衆国には約600万人の不法移民がいる。農業での求人が人間の密輸を急成長させた。ABCニュースによれば、「コヨ−テ」と呼ばれる運転手たちが不法移民を雇用主に売りつけている。農作業の賃金が低下を続けている一方で、コヨーテへの支払額は上昇している。不法移民がコヨーテに料金を支払えなかった場合、労働で支払うことになる。

農場への警察の手入れによって、彼らは都市へと追い立てられる。カリフォルニア、ニューヨーク、フロリダ、テキサス、ニュージャージー、イリノイ、アリゾナの各州の土地で彼らは家事労働者、季節工、露天商、労務者など、あらゆる低賃金労働へと散っていく。

アメリカ合衆国移民法によれば、国内の地域によって移民の出身国が異なっている。全体として見ると、不法移民のうち最大の割合を占めるのは、54%のメキシコからの移民である。カリフォルニア州では年間総計20万人のうち64.000人がメキシコから、23.000人がフィリピンから、そして1.000人が中国からの移民である。

貧困を測定する指標はおそらく膨大な数え落としを含んでいる。公式の数字の背後で、かっての現象が再現しつつある。初期の工業化時代に「労働貧民」と呼ばれたものの亡霊である。つまり、いくら懸命に働いても、自分自身と家族とが食べていけるだけのお金を稼ぐことができない人たちである。アメリカ合衆国での最貧層の多くを占めるのは不法移民である。

アメリカ合衆国の貧困

著述家のバーバラ・エーレンライクは、アメリカの低賃金経済の中で生きていくのがいかに困難であるかを検証するために、数が月間実際に生活してみた。ウェイトレスをしたり、老人ホームで働いたり、販売員や清掃員になったりした。そして、人知れず労働をし、普通考えられないような時間に働きに出たり帰ったりすると、目に見えない人たちへの優れた洞察力を示した。

時に彼女は、食べていくために二つの仕事をしなければならなかった。家賃が払える住居を見つけるのは大仕事だった。トレーラーハウスや借り間さえ、低賃金労働者の資力を超えていた。家賃を払うと、給与小切手をもらうまで、食べ物を買うお金がなかった。あちこちに問い合わせた結果、働く貧困者も食料引換券がもらえることがわかった。

エーレンライクはさらに、姿を消しつつある貧困者についても書いている。ジェームズ・ファローズの記事を引用しながらユーレンライクは、裕福な人たちは盲目だという。「公立学校や公共サービスを悪化している中、財力のある人たちは子供を私立学校に入れ、余暇を公園でなく私立のヘルスクラブなどで過ごしている。彼らはバスや地下鉄には乗らない。雑多な人間が近隣に住む地域を離れ、郊外の塀で囲ったコミュニティや守衛のいる高層アパートに住む。

彼らが買い物をするのは、広く行き渡った『市場分断』に従って、富裕層だけを対象にした店である。富裕な若者も、夏休みを救助員やリゾートホテルのウェイトレスや皿洗いをして『残り半分の人たち』がどのように暮らしているかを学ぶのに費やすことをしなくなっている。『ニューヨーク・タイムズ』紙によれば、最近彼らは、長い間彼らに割り当てられていた骨の折れる低賃金の退屈な仕事よりは、サマースクールや企業研修など、将来の職業に関連した活動を好むようになってきている。失業が貧困を生み出すことは、誰でも知っている。だが、完全雇用もまた、最低生活賃金が支払われないとしたら、同じ結果を生むのである。

貧困者の封じ込め

貧困者が目立たない理由は他にもある。多くの人たちが拘禁されているのである。合衆国は自由への強い愛着を絶えず公言する一方で、攻撃的なまでに拘禁が多いという奇妙なパラドックスを示す社会である。世界のどの国よりも刑務所に収監されている人間の率が高い。そして、そのうちの圧倒的多数が貧困者、黒人であることはよく知られている。

重罪犯は公民権を剥奪されるので、合衆国には犯罪歴の投票資格を失った者が175万人いる。140万人の黒人男性が選挙権を喪失しているが、これは黒人男性人口の約15%に当たる。1980年から1996年の間に、合衆国の刑務所収容者は133万人から164万人へと増加した。その後も増加を続け、現在では200万人以上になっている。この間に、刑務所関連の支出は40億ドルから400億ドルへと10倍も上昇した。司法当局の門を一度でもくぐったことのある者を含めると、およそ400万人が司法制度に関与している。

司法制度の民営化とともに、刑罰は経済成長の大きな源泉となっている。貧困者を尊敬すべき市民の目から離すのに、これよりも効果的な方法があるだろうか。もちろん、これは目新しいことではない。イギリスの教育法を学んだことのある人間ならすぐ気づくだろうが、19世紀の救貧院への拘禁は、頑固で強情な貧民に、所有者階級の打ち出した価値に従うことを強制しようとした者だった。

1982年以後の15年間に、ニューヨーク州だけでも50の刑務所が新たに建設され、これに50億ドルが費やされた。黒人が刑務所に入る確率は白人の8倍も高い。1997年の物価で、監房一つ作るのに15万ドル近くかかる。囚人一人の維持費は年間5万ドルである。それでもなお、ニューヨークでは、釈放された囚人の47%が1年以内に再び犯罪を起こしている。イギリスはここまで収監者は多くない。ただ、2003年2月に収監された人口の比率が、EUの中でポルトガルを追い越したという点で人目を引いた。


『世界の貧困』ジェレミー・シーブルック 


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