加藤のメモ的日記
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2009年12月21日(月) 経済権力との決別を

新政権は、日本経団連をはじめ「経済権力」からの決別が必要です。政権交代を実現できたのは、経団連に国民が「ノー」を突きつけたから、とも言えます。特に経団連による政策評価は実にひどい。始めた当時の奥田会長が「口も出すが、カネも出す」と言ったように選挙権もない法人が、国民が選んだ政権に対して、カネを介して政治を動かしてきたのです。

政策評価には「合致度」という項目があります。国民の意志とは関係なく「自分たちの意見をどれほどよく聞いたか」を表しています。採点では経団連に忠実だった自民党が民主党を圧倒しており、昨年は自民党に対する献金額が民主党の20倍以上にもなっている。こうした傲慢なやり方が自民政権に対して通用したので「慣性」が働き、政権交代してもその延長線上で大丈夫と錯覚しているわけです。

完全に時代遅れです。その典型例が、民主政権が掲げた「温室効果ガスの削減」「製造現場への派遣の原則禁止」「最低賃金の引上げ」などの政策に対する態度です。「実現は難しい」と反対するだけでなく、「海外に出ていく」などと脅しをかける。海外に行きたいなら行けばいい。グローバル化を先導してきた米国でさえ、民主党の大統領予備選の際にヒラリー・クリントン候補(現国務長官)が「海外に工場を移す企業には巨額の税を課す」と提案したほど、国の利益に反するとみなされる行為なんです。

今や、日本の超国家企業にとっては、国民が貧しかろうが関係ない。それどころか、日本人が働けば働くほど、その成果が、海外に流出する構図になっている。

二つの具体例を指摘しましょう。一つは「日本の法人税は高い」と脅し、海外で稼いだ利益を国内に戻さないこと。海外に滞留しているのは昨年秋の段階で17兆2千億円以上にものぼります。もう一つは交易による損失です。輸入する原材料の価格は上がっているのに、国内で生産し輸出する製品の価格は下がっていく。その分だけ、国富が海外に移転していることになります。

その金額は年30兆円近くでGDPの5%以上にあたります。米国では0.8%、欧州連合は0.4%です。結局経団連は民間を名乗ってはいても、官僚と変わらない「民僚」です。彼らの制御下にいる限り、私たち日本人は豊かになれるはずがありません。


『週刊朝日』


加藤  |MAIL