加藤のメモ的日記
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2009年07月24日(金) 情報はまず、「ギブ」ありき(1)

最近ビジネスマンの間で盛んに「勉強会」が行われている。自分の職場ではなかな得られない新しい情報を求めて、異業種の人間が集まる「交流会」も多いようだ。とにかく人は自分の仕事に関連した情報に興味を持ちがちだから、こういった他業種の情報を得られる勉強会にはどんどん参加すべきだろう。だが、同じ勉強会に参加しても、そこで有益な情報を得られる人と、まったく手ごたえの得られない人に分かれると思う。同じ時間と金を使っても、有意義なものだったと感じる人と、なんだか無駄にしてしまったなと後悔する人がいるだろう。

この違いはいったいどこからくるのだろうか。それは情報は交換するもの」という認識を持っているかいないかの差である。勉強会で情報を得られる人というのは、「情報は交換するものだ」ということを心得ている人だ。一方、情報を得られない人は「情報はもらうもの」と勘違いしている場合が多い。同僚と話をしているときのことを例にとって考えてみよう。仕事に関して思っていることなど、普段は言わない本音をボソッと吐いたようなとき、相手も意外な本音を返してきたという経験はないだろうか。

あるいは弱音でもいい。普段はそのような素振りも見せずに、ある時ふと弱音を吐くと、相手も普段は言わない弱音を口にすることがある。この時相手の本音を聞くことができたのは、自分もまた本音を吐いたからだ。自分は普段は言わないようなことを言ったからこそ、相手もまた意外なことを返してきたのだ。情報も基本的にはこれと同じで、情報を得るのはまず自分からそれを与えることがあってこそである。情報がやってくるのをただ待ち構えているだけでは、また、一方的に得ることを考えているだけでは決して手に入らない。

情報は与えてこそもらえるもの、つまり交換して得るものなのだ。もちろん情報の交換はお金と品物の交換のようなはっきりとした形を見せず、さまざまな形をとる。情報を与えられたほうは、「もらったのだから、返さなくては」という単純な発想で情報を発信するかもしれないし、あるいはこちらが提供して情報のテーマに触発されて新たな情報を付け加えてくるかもしれない。この時忘れてならないのが、たとえ交換の形がどのようなものであっても、とにかく自分から発しないことには情報は入ってこない、ということだ。

だから私は常に情報の出し惜しみをしないように決めている。「そんなことを言ってしまっていいんですか」などといわれることもあるが、情報を出し続けて、いよいよ情報が尽きてしまったらその時は引退すればいいと思う。逆にケチらなければすぐに枯れてしまうような井戸はもともとたいした井戸ではないのだ。それと同じで、人も情報を出し惜しんでいるうちは、たいした情報力を身につけていないことを自ら示しているようなものである。

情報は吐いてこそ、吐ききってこそ、また新たな情報を生み出すものだ、だから情報の交換はどんどん行なわれるべきなのである。ここで情報は大きく分けて二種類あることを押さえておきたい。まず一つはデータである。これは事実そのものの情報のことだ。例えばある国の人口やGNP、またはある地域で起きている紛争の状況、アメリカの財政状況など、何の加工もせずに事実を事実と伝える情報のことだ。

そしてもう一つはインテリジェンス。これはデータをつなぎ合わせて分析し、総合し、一つの予測や結論になっているものだ。例えばある国のGNPと、アメリカの財政状況からある地域で起こっている紛争の今後の動向を予測するといったことである。情報の交換に使うのは、データでもインテリジェンスでもどちらでもいい。自分の持っている情報をフルに提供すれば、必ず得るものがあるはずだ。

だが情報の交換として、より有益な効果もたらすのはインテリジェンスである。インテリジェンスは積極的にどんどん交換するべきだと思う。というのはインテリジェンスは交換されることによって、共有することによって情報そのものの質を高めていくからである。インテリジェンスの交換の一番簡単な例として、ある会社で一社員が新製品のアイデアを思いつき、それを会議で発表したときを考えればいい。

一人の社員が、あらゆるデータを集めて考えに考え抜いた新製品のアイデアを会議で発表する。そこで即商品化が決まることはまずない。会議に出された愛アイデアは、営業部の人間、マーケティング部の人間、経理の人間などあらゆる人間のさまざまな観点から再検討される。だがそれによって、もとのアイデアに抜け落ちていた問題を補足したり、長所をよりアピールできる方向へと修正することが可能になる。一つのアイデアを複製の人間が交換、共有することによって、もとのアイデアより質の高いものとなるのだ。インテリジェンスは交換されることによって、新しい視点が加えられるし、新たな側面が発見される。ひいてはそれがインテリジェンスそのものの質の向上へとつながる。


『情報力』

今夜の福岡は、梅雨末期特有の1時間に100ミリ以上という大雨で、河川の中流域に住んでいる人たちに、いっせいに避難勧告が出た。川幅が狭いので水が溢れたのだろう。都会は道路がすべてアスファルトなので水の行き場がなかったということだ。私の住まいは下流域なので川の水量は危険水域には充分な余裕があった。


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