子の年齢:4歳10ヶ月
少し前にテレビに出ていた、さかなクンという人をご存知だろうか?海洋生物にマニアックな興味を持ち、さかなの帽子をかぶってぴょんぴょん跳ねる若者。 彼は子供の頃から顕著なアスペルガーだったらしい。 そう考えると、あの「だしぬけ」の甲高い声や、ぴょんぴょん跳ねている理由がよくわかる。 あれは芸風などではなく、彼の障碍特性そのものなのだと。 ぴょんぴょん跳ねるのは自閉症(アスペルガーは自閉症の一種)の中でももっともポピュラーな特性だし、声の高低やボリュームの調整も苦手なことが多い。
ちーちゃんにはそんな判りやすい特徴はないが、顕著にさかな好きだ。 図書館に行くといつもさかなの図鑑を見ている。特に軟体動物が好きらしく、クラゲ、ウミウシをヨダレをたらしそうに眺めている。 クラゲの何がそんなにお気に召すのかな?海で実物見たときはパニックになってたのに。
さかなの図鑑を見始めると時間を忘れるようだ。睡魔も空腹もすっかり忘れたらしい。 「借りて帰ろう」 と促し、本を持って貸し出しカウンターへ。 しかし、そこでまさかの事態が待っていた。その本は禁帯出だったのだ。
カウンターでラベルを見せられると、ちーちゃんは悲しい顔になった。 県立図書館は司書さんが行き届いているので、「似たような本を探して来ます」と、すぐに素敵な図鑑を持ってきてくれた。 表紙のエビの写真がきれい〜(ママはエビ好き)。 「ほら、クラゲがたくさんのってるよ。」
だがここでコダワリが勃発した。図書館だというのに、大声で泣き始める。 ダメだ。自分で選んだ本を否定されたと思ってる。あんなに親切な司書さんなのに。 「どこか違いますかね〜?」 「済みません、自分で選んだのがよかっただけだと思います。」 司書さんは、子供だからしょうがない、と受け取ってくれたようだ、とっとと貸出手続きしてその場を逃げ去る。 家に帰るとちーちゃんは、そんなやり取りもすっかり忘れ、とりかえられた図鑑をぺらぺらめくっては、クラゲやタカアシガニの気味の悪い絵を描きまくっていた。 水族館の学芸員でも目指す?泳ぐの得意だし。
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