ちーちゃんままの日記

2008年10月26日(日) 障害か?個性か?

子の年齢:4歳9ヶ月

 それは、保育園の意味不明なお知らせから始まった。
 「気になる子が増えています」と、そのお便りには書いてあった。「気になる子」とはいわゆる発達障害(ADHD,LD,自閉症)のことであって、呼ばれても返事をしない、などの定義が下欄に書かれていた。
 意味不明なお便りだった、というのは、「増えています」とタイトルに書きながら、経年比較のデータもなければ、原因分析や対策などが一切書かれていなかったこと。
 保育園は保護者に何を求めてこんなお便りを出したのか?無責任な気がした。

 早速連絡帳で質問したところ、保育園でお話がしたいので、都合を知らせて欲しいと言う。
 イヤな予感がした。
 行ってみると、先生はそわそわとお便りの話しをした後、
 「実はちーちゃんのことなんですが、お母さんもお気づきだと思いますが・・・」と話し始めた。
 「いえ、何も気づきませんが、何のことですか?」
 ・ちーちゃんは、しりとりゲームの順番を待てず、他の子の番なのに勝手に答えてしまう
 ・並んで待っている間にチョウを追いかけて行方不明になる
 ・道の反対側に好きな人がいると、車が来ているか確認せずに道路を横断する
 ・上記の結果先生に怒られてばかりいるので、自信をなくしている
 「子供だから普通でしょう?他のお子さんはできるんですか?」
 つまり言いたいのは、ちーちゃんは知能の発達と集団行動のバランスがあまりにも悪く、ぽっかりと穴が開いたようだ。このまま就学すると学級崩壊のキッカケになったり、学習障害を起こす。
 
 確かに、わが子ながら不思議に思うことはいろいろあって、
 ・潜水して回転して遊ぶ
 ・自発的に迷子になって、親を探さない
 ・みんなで準備体操をする時間になると逃げ回る
 ・雷を異常に怖がる
 などの特徴が高機能自閉症っぽい。
 
 家で見る限りは普通の子なのだが、保育の専門家に「オカシイ」と言われるダメージは相当なものだった。
 ・一人しかいない息子が将来社会不適応を起こすかもしれない。
 ・頑張ってもう一人産んだ場合は、もっと重篤な障害を持って生まれてくるかも知れない。
 
 紹介された専門機関に連絡をして、面接を待つことにしたが、その間もそわそわと落ち着かない。
 片っ端から「発達障害」に関する本を読み漁った。
 
 高機能自閉症の人が書いた本を読んでみて、いくらなんでもこれはないんじゃないかと言う気がした。
 「ホテルの部屋にコメントのカードがあって、『お客様の声をお聞かせください』って書いてあったから、『わああ』ってカードに向かって叫びました。」
 というストライクゾーンの狭さは、ちーちゃんにはない気がする。

 そしていろいろ考えているうちに、実母が私の幼少時のことを話していたのを思い出した。
 曰く、
 ・湯船のへりに突っ立って両手を広げ、ぼーっとしていることがよくあった
 ・他の子が仲間遊びをしていても、一人離れた場所で花を摘んでいた

 小学校低学年の頃はよく教科書をなくした。宿題のプリントを学校に忘れて取りに行ったこともある。
 学業成績はよかったが、おそろしく忘れものが多く、班対抗忘れ物レースではいつも足を引っ張っていた。
 自分で考えても、あの頃のなくし物の多さは理解が出来ない。
 なくし物が多いので、自分に自信がなく、頭が悪いと思い込んでいた。
 高学年になると、自然に物をなくさなくなった。もともと勉強が好きだったので、急に優等生として扱われるようになり心底驚いた。

 実はちーちゃん、ママにそっくりなだけなんじゃあ・・・?
 この程度のことでちーちゃんが発達障害だと言われるなら、ママも発達障害だ。そしてママは今でも仕事でケアレスミスを繰り返してるよ。
 
 もしかしたら、ママも小さいときからADHDの治療薬を服用していれば、忘れ物で先生に叩かれなくて済んだかもしれない。いつも30cmモノサシで叩かれていて辛かった。
 本人の能力や気持ちに配慮するとそういうことになるが、社会のストライクゾーンの狭さも問題の一旦なような気がする。
 昔は忘れっぽい子で済んでいたものを、今は発達障害と呼ぶのだとすれば、それは、社会の受容性が下がっているとも言える気がするのだ。


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