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信じたかったけど


彼が信用できなかったのは、もうずっと前からのことでした。

表出が、現在だったというだけです。

僕は、単にわがままだっただけです。

僕は、限界だっただけです。

彼のことを、信用など、できるわけがなかったのです。


約束は守られない。
何を聞いても「秘密」
メールの返事は来ない。
電話をしても話し中、しばらくしてかけても出ない。
疑わしくても「信じろ」の一点張り。
証人がいても「やってない」「知らない」


メールが来るだけでも、嬉しかったですよ。
最初は。

でも、全てが嘘のような気がして、裏切られているような気がして、

許せなかった。

僕は気づいても口にしないことが多くなりました。

裏切られてるって脳内が警報を出しても、聞いてないフリをしました。

眠れなくなって、不安定になって、それでも笑っていました。

『嫌われたくないよ』

僕は、何にすがっていたんでしょう?

救われるとでも思っていたんでしょうかね。

彼は、単に犬拾っただけの気分だったんですよ。

だから、自分のことは教えないし、僕の管理はする。

黒髪でいなさい。
他の男の子と遊んではいけない。
おしゃれはちゃんとしなさい。
女の子の格好をしなさい。

彼は僕の、何が好きだったのか、理解できない。

僕っていうアイデンティティはどこ?






そうして彼は、表出した僕に言ったんですよ。

「別れよう。信用できないやつとなんか付き合っていけない」
「やっぱり人は上辺だけなんだ」


僕は問いたい。
本当は、誰が、上辺だけだったんでしょうか。
2007年11月30日(金)

「「「「空、青いよ。雲、白いよ。「「「「 / 空月遥

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