初日 最新 目次 MAIL HOME


読書・映画・旅ノート(毎日更新目指す)
くま
MAIL
HOME

My追加

2005年09月01日(木)
民主党「憲法提言中間報告」を読む


以前自民党の憲法草案を読んだので、
今度は6月23日に発表された民主党の「憲法提言中間報告」(リンクしています)を読んでみる。

7月1日に憲法会議の川村俊夫さんの話を聞いたとき、「自民党も民主党もゆれている。自民党は3月に出すといっていた憲法要綱が7月にずれ込むし、民主党は一番大事な「安全保障」の部門で意見が二つに割れている。」といっていた。しかしそれだから「安全」だというわけではなく、アメリカの圧力の下粛々と日程はこなすだろうと、とも言っていた。ともかく財界も、自民・民主・公明も二つのことを狙っている。「ひとつは、9条2項の改定。戦争放棄をなくし、自衛隊を軍隊にする。もうひとつは96条。憲法を改正する方法です。ここをいじれば、後はどうでも変えることができる。」自民党も財界もそのとおりのことを言っているなあ、とは思っていましたが、今回読んでみて民主党も見事にそこは意見の一致があるみたいです。

9条については
第1は、憲法の中に、国連の集団安全保障活動を明確に位置づける。
第2は、国連憲章上の「制約された自衛権」について明記する。
第3に、「武力の行使」については最大限抑制的であることを宣言し、書き入れる。 

自民党との違いは「国連主導の武力行使のみ認める」ということであり、ほかは結局同じことです。かえって自主独立を強調することによって今より更なる軍拡路線に突き進む恐れがあります。しかし思い出してほしい。イラク戦争こそ、あまりにも無法性ゆえ国連は「うん」といわなかったけど、湾岸戦争はアメリカ主導によって国連の名のもとに行われました。ボスニア紛争も同じです。アメリカはそのときの情勢や力関係で国連を利用したり無視したりしただけなのです。二つの戦争はいろんな悲劇を起こしてまだ歴史的な評価は定まっていません。この改憲では情勢しだいでは「やはりアメリカの言うなりに日本が戦争に巻き込まれるでしょう。」

改正手続きについては
「硬性憲法の実質を維持しつつも、より柔軟な改正を可能とするために、_改正事項によっては、各議院の3分の2以上の賛成があれば、国民投票を経ずとも憲法改正を可能とする」といっています。あからさまです。

今の状況でこれを許せば、後はずるずると憲法改正し放題になるでしょう。小選挙区制によって、弱小政党が次期政権党になる可能性は非常に小さくなりました。国民があっと間違いに気がついたからといって次の選挙で大逆転できるような状況ではないのです。

環境権やら何やらは単なる飾りです。10年以内に彼らの意見はころころ変わるでしょう。

本当は今は民主党は「憲法行脚」をして、「世論を喚起する」活動をしているはずでした。しかし、選挙のせいで一時期止まっています。これをずーと止まらすか、一ヶ月だけの話にするかは、これからの国民の判断に任されています。