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2005年07月29日(金) ■ |
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『漂白の牙』 熊谷達也 |
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『漂白の牙』集英社 熊谷達也 同じ現代の動物小説であるが、『ウエンカムイの爪』より格段に面白くなっている。ひとつの謎がもうひとつの謎を呼ぶという構成。多人称形式の構成も唯一分からない狼らしき動物の存在があるからうまいこと作用している。ただ、話を面白くするためか、ミステリー形式にしてしまった。雪の中の行進や動物描写は非常にリアリティがあるだけに、謎解き部分で話を創りすぎてしまったかもしれない。その後著者がミステリーから離れたのは正解だっただろう。 (05.05.24記入)
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