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2005年03月04日(金) ■ |
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「ビビンバの国の女性たち」伊藤順子 |
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「ビビンバの国の女性たち」講談社文庫 伊藤順子 世はまだ『韓流ブーム』である。そもそも日本人はたった一時間半(飛行時間)でいけるお隣の国のことを知らな過ぎた。韓国の民主化が成功して約20年、ソウルオリンピック、02年W杯を経て、もはや韓国を知るということは本格的なキムチやビビンバを食べることのみを意味しないという状態にここ至ったのである。今はきっと『知恵熱』状態。成熟した関係はこれから始まる。
さて、この本はそう言う時代の軽い読み物である。日本の週刊誌で言えば「週刊新潮」あたりの《街角風俗最前線レポート》といったところであろうか。例えば、韓国のキャバレーは中年男女の合コンの場所、この国では姦通罪がまだ生きている、平均セックス時間は19分、しかし質より量を求める傾向、etc。まだ日本に届いていない下世話な話が満載で、トータル的に韓国のことを知る上で読んでおいてもいいだろうという程度の本である。ただ、まだまだこの手の記事が少ないので、かんで含めるような丁寧な解説がつく。また、「週刊」ではなく「月刊」の連載をまとめたものだから、古くは5年前のレポートが載っている。そのあたりは気をつけないといけないだろう。
筆者の態度は案外まじめで、冒頭この情報が著者の体験した韓国の一段面であることを断っている。だからこそ、私はこれで韓国の風俗を知ったつもりにはならないが、事実としては信頼するつもりでいる。
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