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2005年03月02日(水)
「中原中也詩集 在りし日の歌」角川文庫

「中原中也詩集 在りし日の歌」角川文庫
二泊三日の韓国旅行をして帰ったその日、一番『日本』を感じたのは、三日ぶりに見る風景でもなければ賑やかしいTVでもなかった。喫茶店で開いた中也の詩集であった。

「森の中では死んだ子が/蛍のようにしゃがんでる」ハングル文字の洪水の中から生還してきて、そういう一見なんでもない口語体の詩句に出逢ったとき「ああ私は日本人だ」と感じた。「日本語として理解するより先に、私には悲しみが見える。」

「とにかく私は苦労して来た。/苦労して来たことであった!」(わが半生)中也独特のリズムが静かに私の心を潤す。