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2005年01月09日(日) ■ |
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「アルバイト探偵」大沢在昌 |
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「アルバイト探偵」講談社文庫 大沢在昌 高校生、冴木隆の親父は探偵。しかし、この探偵、事件が起きないと動き出さない。しかも、女好きする良い男。しかも、どうやら前身はいろいろな修羅場をくぐってきた男らしい。ただ、隆にとってはあくまでもぐうたら中年男だ。本当は実の父ではないという噂もちらほら。ときどき父親を手伝いアルバイトするのだが、隆もなかなか探偵家業が様になっていて、なかなかもてるのではある。
まずはキャラクターが楽しい。深刻な事件を高校生の目から描いていて、「事件」と「日常」がうまいこと混じっている。本当はどちらに転ぶ事も出来るはずだ。国際的な大陰謀事件に転ぶ事も出来れば、下町ハードボイルドに徹底する手もある。シリーズ最初のこの短編集はそのどちらにも行かないところでうまいこと留まっている。その軽さをとりあえず楽しんだ。
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