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2005年01月08日(土)
「私が彼を殺した」東野圭吾

「私が彼を殺した」講談社文庫 東野圭吾
久しぶりの東野圭吾「本格推理小説」体験であった。別に暇をもてあましているわけではないが、たまたまポッカリと時間が出来たので、まさかこれで1日潰すような愚かな真似はすまいと思いながら読み始めたのではあったが…。甘く見ていた。本当に1日を潰してしまうとは!

それもこれも、途中まで自分の推理にある程度の自信が出来たからいけないのである。この作品は犯人当ての「本格」である。アガサ・クリスティみたいに最終盤では容疑者全員が集まり、加賀刑事という「名探偵」が謎解きをして最後は「犯人はあなただ」と言って終る。後は解説を読んで「答合わせ」をするのだ。クリスティの場合は容疑者が相当数居る。しかし、この作品の場合はほんの数人。時間をかけて随分と丹念に読んでいった。私は分かった気になっていた。

この文庫には前回の「どちらかが彼女を殺した」と同様、「袋とじ解説」なるものが付いている。だから立ち読みでは犯人は分からない。今回初めて気が付いたのだが、前回同様、西上心太という解説者なのだが、後扉の紹介文にはこの解説者の名前はない。というとなると、この解説者は実在の人物ではなく東野圭吾の分身なのだ。まったくもって回った作品である。トリックもまったくもって回っていやがる。ええ、その通り。推理は当たりませんでした。