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2004年08月31日(火)
「蹴球戦争フットボール・ウオー」文春文庫 馳星周

「蹴球戦争フットボール・ウオー」文春文庫 馳星周
02W杯観戦と99から01年の欧州「フットボール」観戦を日記で綴る。

自他共に認めるサッカーファンの文章である。ここには試合の解説など微塵もない。試合の日、どのように朝を起き、飯を食べ、電車に乗り、スタジアムに何時に着き、試合を見て家に帰ったか、要するにそれだけの文章が続く。その中で馳はひたすら怒り、感動し、叫び、憮然とする。そうだ、2年前のW杯の日々、馳ほどではないが私もテレビを見ながらそういう日々を送っていた。

私はひたすら馳の文章に共感し、知らなかった事には素直に感心していた。このての文章に対して、私は珍しくも一つも反発を感じなかった。「トゥルシエは無能だ。」そうなのかもしれない、いや、そうだったのだ。「イタリアのくそリアリズムはつまらない。イングランドは時代遅れだ。」2年前なら本当か、と疑ったかもしれない。しかし今の世界の状況を見るとまさにそのとおりだ。韓国のW杯は素晴らしかった。「代表の快進撃だけでない。サポーターの熱気、スタジアムの出来、外国人サポーターを迎えいれる暖かさ、韓国を世界にアピールしようとする情熱、」悔しいけどまさにそのとおりだった。

未だに欧州と日本の力の差は歴然であろう、しかし、馳と同じように私は日本代表の試合を見つづける。文章家の馳が日本対ベルギーの試合については「鈴木が同点弾を叩きこむ。私は壊れた。絶叫した。」としか書けなかったように、私もあのような「絶叫」をもう一度したいから。