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| 2004年08月24日(火) ■ |
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| 『アイヌ神謡集』岩波文庫 知里幸恵編訳 |
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『アイヌ神謡集』岩波文庫 知里幸恵編訳 ここにある世界はキリスト教の『神』の世界とはまったく無縁である。神は人を罰しない。『仏教』とも無縁である。輪廻転生はない。天国と地獄もないみたいだ。
そこにあるのは人と動物が対等な世界。善悪の区別は近代的な倫理観とは無縁なところにある。そこは読んでもらうしかない。独特のリズム感。見事な詩情。それは若くして死んだ女性、知里幸恵嬢の才能なのかもしれない。明治時代の近代教育の成果なのかもしれない。そしてアイヌというまだまだ知られていない『民族』の持つ伝統的な『力』なのかもしれない。
ここにある豊かな自然と素朴な倫理観。『ユーカラ』の世界への第一歩を踏みこんでしまった自分がいる。
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