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| 2004年08月11日(水) ■ |
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| 「列島考古学の再構築」学生社 板橋旺爾 |
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「列島考古学の再構築」学生社 板橋旺爾 この本の良い所は二つある。一つは著者が新聞記者であり、いわゆる考古学専門家ではないということだ。よって記述は考古学の一時期を扱うことなく、旧石器から弥生時代にかけて満遍なくほぼ最新の研究成果を紹介している。もう一つは前身が教育委員会の文化課なので、学者に近いところにいたということもあり、記述がわりと突っ込んだところまでされている。 しかし、良い所はコインの裏表で欠点にもなる。旧石器、縄文、弥生と本来三冊は必要な枚数の中に専門的な内容をいれているために、専門用語が多すぎる。著者は本当によく本を読んでいると思う。しかし、新聞記者なら新聞を読んでいる読者を想定して書くべきだと思う。考古学ファンの私が分からない用語を多用するのは問題であろう。たぶん著者は考古学の専門家に向けてこの本を書いているのだろう。また発刊の時期が去年の春なので、弥生時代の実年代の見なおし論で出る前だったせいもあり、その事が反映されていないのも残念なところである。
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