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| 2004年06月22日(火) ■ |
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| 「バッテリー」角川文庫 あさのあつこ |
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「バッテリー」角川文庫 あさのあつこ 手に取ったきっかけは単純である。物語の舞台が私の地元岡山県だった。あらすじも単純そうだ。よくある野球マンガの設定である。天才ピッチャーが片田舎の野球チームにやってきて、チームが突然強くなる(のかな)。児童文学だそうで、活字も大きく、段組も広く、簡単に読めそうだ。
読んでいる間、久しぶりのドキドキ感が消えなかった。マンガなんかの描写じゃない。ましてや、文章は易しいが物語は全然安易ではない。緊張感を感じるいい読書をさせて貰った。自然描写の豊かさ、登場人物たちのはっきりした個性と、魂の高潔さと孤独、どきりとするセリフ、そして物語の面白さ。もちろん欠点もないわけではない。しかしそれを補って余りある面白さがある。素晴らしい物語と作家に出合った。今はただその事を喜びたい。(04.03)
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