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| 2004年06月15日(火) ■ |
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| 「東京遺産」岩波新書 森まゆみ |
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「東京遺産」岩波新書 森まゆみ 東京駅が歴史的建造物だと知ったのはつい最近の事だ。最初の東京駅の印象は悪かった。悪夢のような人の波波波。加えて駅構内が迷路のようで、山手線に乗り換えるのにもう少しで迷いそうになった。悪い印象のまま数十年間乗り降りしたあとふと東京駅玄関から降りた。そうすると目の前に広がる巨大な赤レンガの建物。「こりゃ、やっぱり首都の駅だわ。歴史的な建造物だわ」と変に納得した覚えがある。
この駅の超高層ビル構想を断念させた運動があったとはこの本を読んで初めて知った。いろんな文化人が参加して「おしゃれな運動」になったらしい。このような東京遺産保存運動の成功例(上野奏楽堂、岩崎邸、上野不忍池、安田邸)、失敗例(丸ビル、谷中五重塔、富士見坂、同潤会アパート等)の経験を語りながら、東京という「地域」から草の根「遺産保存運動」のあり方を問う書になっている。私の住んでいる倉敷でも参考にすべき点が多々あると感じた。(04.1)
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