日々あんだら
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2012年12月16日(日) 絵画展に行ってきました。




今日は六本木の国立新美術館に行ってきた。
シェル美術賞の受賞者展があって、オカベールこと岡部さんの作品が展示されているので。
予想(予定?)通りチヒロちゃんとオカエリちゃんが遅刻したりもしたんだけど、
その直前に買っていた「3月のライオン」8巻と、その後写真を撮っていたのでイライラせずに待てた。
読みかけの本(もしくはマンガ)といい光さえあれば、何時間でも待てる。(笑)

展示は、グランプリを始めあんまり響いてこない作品がほとんどだった。
まあ、こういうのって、絵の力とか、見る人の感受性とか、だけではなく、
絵と見る人との波長が合うか合わないか(一言で言ってしまえば好み)、とか
いろいろあるので一概には言えんのやけど。
ただ、しばらく絵の前から動けなくなるくらいのも何枚かはあった。

岡部さんの作品は、いつも思うんだけど空間の使い方がすごく贅沢。
すごく大きなキャンパスにポツンとモチーフが描かれていて、あとは空間。
でもその「ポツン」って感じが好きだった。
前にポートフォリオで見たことがある作品だったけど、やっぱりキャンパスがでかいとそのポツン感もでかい。
やっぱり直に見ると全然違うねー。
そして、朽ちて行くものに美を感じる感覚も、すごく好きだった。

ある人の作品はとても写真的な絵だった。
夜の風景を描いたものだったんだけど、街灯の光から放たれる光芒とか、
輪郭線のピントの合い方とか外れ方だとかが、目で見える風景ではなくて、
カメラのレンズを通してフィルムに焼き付けられたものと同じ表現だった。
昔写真やってた人かなぁと思ってプロフィール見たんやけど、特にそうでもなさそう。
写真を見ながら描いたのか、とも思ったんやけど、違うかな?
(そういえば何かの受け売りやけど、フェルメールの絵も写真的な表現が見られるらしいね)

一番印象に残ったのは、ある招待作家の人の作品。
その人は描きたいモチーフを描かないことによって、その存在を感じさせていた。
パッと見たら何かの抽象画みたいやねんけど、少し離れて全体として見たら、
そこに描かれてないモチーフが浮かび上がって来る。
…なに言ってるのかわかりませんね?(笑)
おれもどう言ったらいいのかわかりません。(笑)
いやでもあれは面白かった。あの表現は、写真では絶対にできひんわ。
というか、他のどんな表現方法でも無理だと思う。絵画だからこその表現。


おれ自身は全く絵心ないし(もうびっくりするくらい)絵を描こうと思ったことは欠片もないんやけど、
こうして見に行っていろいろ感じるのは楽しい。

おれがやってるのは写真やし、それも「やってる」って言っていいかどうか微妙なレベルでしかない。
でも、その写真を基準にして、例えばこうやって絵画を見に行っても多少は感じたり考えたりできるし、
例えば恩田陸「チョコレート・コスモス」を読んで、焦りを覚える女優の心理がなんとなくわかったりもする。
そういう軸が自分の中にあるというのは嬉しいし、ありがたいことだ。


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