日々あんだら
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2008年08月22日(金)




「がんばれば夢は必ずかなう」なんて言葉は大嘘だ。
TVでスポーツ選手や芸能人がよく言っているけど、彼らは自分の夢がかなったから言えるだけ。
そんなことを言う学校の先生には「じゃああなたの一番の夢はかなったんですか?」って聞いてみたい。
そんな言葉を子供に向かって言うのは無責任だ。

「必ず」かなう夢なんてない。
夢をかなえられる人はほんの一握りだし、ほとんどの夢はかなわずに終わる。
でも、だからこそ夢をかなえた人は賞賛されるべきだし、だからこそその結果には価値がある。


でも、かなわなかった夢には価値がないのか?って言われたら、そんなことはない。
かなわなくても、その夢を追いかけてたこと自体には価値がある。
夢を追いかけるのは大変だ。
努力しなければならない。
辛い。苦しい。痛い。おもしろくないこともある。嫌になることもある。
絶対思い通りにはならない。挫折だってする。
優越感も劣等感も焦燥感も達成感も、全てがそこにある。
そして、いつかは諦めなくてはならない時がほとんどの人にはやってくる。

でも、そこで経験したことは絶対に無駄にはならない。
身に着けた知識や技術は全く別の分野に行ったら役には立たないかもしれない。
でも、「努力すること」「耐えること」「挫折から立ち直ること」は、どんな分野に行っても必ず役に立つ。
だから夢を追いかけることは大切だ。


いきなり自分のことになるけど、僕は高校生の頃野球をやっていて、
まあ人並みには(って微妙な表現だけど)甲子園を目指していた。
結局かすりもせずに終わるんだけど、今、あの頃やっていたことが活きてるなぁって思う。
例えば当時、野球部の監督がよく「今ここでこれだけしんどい目にあってたら、社会人になってからどんなしんどい目にあっても大丈夫だ」と言ってたんだけど、その台詞だけは本当だった。
今、どんなに仕事が嫌だ、会社に行くのがめんどくさいって言っても、
あの頃のように朝起きた瞬間に夕方からの練習のことを思って憂鬱になるようなことはないもん。
あの練習に比べれば上司に怒られることなんて軽いもんだと思う。(笑)
(だからと言って監督に感謝しようとは思わないけど。おかげで一時野球を嫌いになっていたし。
 また好きになったのは大学出てからくらいだ。)



なんでいきなりこんなことを言い出したのかっていうと、オリンピックの表彰式を見ててふと思ったから。
金メダルを目指していて、取れる人なんてほんの一握り。
ほとんどの人はメダルにも届かず終わる。いや、オリンピックに出ることすらできずに終わる。
でも、彼らのしてきたことは価値がある。
他人には無価値でも、彼ら自身にとってみたらとても大きな価値がある。

オリンピックに出ている人たちと比べたらずいぶんと低い水準にいる僕だけど、
TVを見ながら偉そうにそう思ったのでした。(笑)





昨日のオリンピック。ソフトボールの金メダル。
今までの経緯は知っていて、だから応援してたんだけど、
金メダルの瞬間は鳥肌が立った。

選手たちの姿より、解説で来ていた前監督の宇津木妙子さんの声の方が印象的だった。
マイクが割れるくらいの大声で「ヤッター!!ヤッター!!!」と叫んで、後は無言。
きっと、実況席で泣いていたんだろうと思う。
あの人のあんな声も、あんな無言も、初めて聞いた。

前回、前々回のオリンピックの時の代表監督。
もしかしたら選手たち以上にアメリカに勝ちたかったのかもしれない。
共に戦えない立場だったから特に。
その気持ちを想像したらちょっとウルっと来た。


やっぱり、夢がかなうところを見るのはいいなぁって思う。
そんなに簡単にはかなわないものだから。
そして、その裏にある想いや努力を感じることができるから。


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