日々あんだら
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2008年08月13日(水) 屋久島日記〜出会った人編〜





屋久島は、空も海も森もよかったんだけど、やっぱり一番良かったのは「人」だった。
縄文杉にもう1回会いに行こうとは全然思わないけど(1回会ったらいいや。笑)、
また会いに行きたいなと思う人ならいっぱいいる。

屋久島の人は良い意味で観光客慣れしている。
見知らぬ、違う方言を喋る人間に対して垣根がほとんどない。
そういう人を受け入れる習慣ができているように思う。
道を歩いててあった人にいきなり「こんにちはー」って挨拶しても
「こんにちは。どこから来たの?」って声をかけてくれたりとか。
それってとてもいいことだと思う。



YOIKOさんにオススメされて食べに行ったお寿司屋さん『いその香り』。
カウンター席のないお店に一人でフラリと行って、料理を出したりするカウンターの端に
席を作ってもらってそこでお寿司を食べた。

いや、やっぱりお寿司屋さんはカウンターが一番楽しい。
大将の仕事ぶりを眺めたり、横を出て行くお寿司やおつまみを見ては「これはなんですか?」って聞いたり。
で、おいしそうと思ったものは注文する、ってやってたらお腹いっぱいになっちゃったけど。(笑)

「屋久島を走ってたら小さな橋がいっぱいあるでしょう?」って大将が言う。
そう言えば車で1周したらいくつもの橋がかかっている。
「あの橋ごと、川ごとにいくつかの地区に分かれてるんですけどね、その地区によって言葉が違うんですよ」

へぇ〜!

「昔は橋が架かってなくて、川で区切られた地域の中で自給自足で生活してたんです。だからしゃべってるのを聴くとどこの生まれかわかるんです」
『屋久島弁』という方言はない、という。
「でも、そんな狭い地域の中だけで自給自足できるってことは、それだけ自然の恵みが豊かだってことですよね」
「屋久島の川って結構急でしょ?そのせいで山の養分が海に流れ込んでるんですよ。だからいい漁場なんです」
屋久島は、いろんなところで川が人々の生活に直結している。

そこのお店のおねえさん(って言っても確実に年下)に「どこからですか?」って聞かれたので、
「千葉の船橋ってところです」って答えたら、「船橋!!」って思いもしない激しい反応。
「私東京にいたんですけど、昔の彼が船橋の人でよく行ってたんです!」
「う…痛いこと思い出させてすんません。^^;」

おねえさんは屋久島に魅せられて、今年の春から移り住んで住み込みで働いてるらしい。
写真が趣味、って言うので撮影ポイントをいくつか教えてもらった。


2回目にいその香りに行った時、またカウンターに席を作ってもらって食べてたら、
小学生くらいの男の子がカウンターにへばりつくようにして大将の仕事を眺めていた。
どうやら常連さんの子供らしい。
ずーっと隣にいたので話しかけてみたら、横浜の子で毎年お父さんお母さんと一緒に屋久島に来てるらしい。
こんな年から屋久島通いだなんてなんてうらやましい!!

ちょっと話していたら「大阪の人ですか?」って言う。
「出身は違うけど、大阪に住んでたことがあんねん。でもよくわかったねー!」って言うと、
「お父さんが大阪出身で、お母さんが兵庫だから」
「へ〜、お父さんお母さんは関西弁なん?」
「ううん。でもケンカしたら大阪弁になる」
「聞いてるんや。(笑)」
「うん、ケンカが始まったら寝れない」
子供って良く見てるよなー。(笑)

仲良くなってライカで2〜3枚撮らせてもらったら、写真が見たいという。
でもこれ、フィルムやしなぁ…ってことで、
「お父さんやお母さんがいいって言うたら住所教えて。そしたら現像した写真を送ってあげる」

で、お父さんお母さんにお願いしたら住所を快く教えてくださって、なんかそのままそのテーブルに居座ってしまう僕。
「関西のご出身なんですよね?」と聞くと「そんなこと言ってました!?」って驚いてたので、
「お父さんもお母さんも普段は違うけど、ケンカの時だけ関西弁って言ってましたよ」って答えたら爆笑してた。(笑)



別の日に、たしか白川雲水峡から下りて来た後のこと。
宿のお風呂には早い時間だったので、公衆浴場を探して一湊のあたりを車で探してた時に迷い込んだ集落があった。
そこの雰囲気が僕のど真ん中ストライクで、しかもすごく涼しげな木陰もあって。
最終日の前の日、そのあたりをカメラを持ってブラブラした。

ちょうどお昼時で路地には誰もいなくて、しばらくウロウロしてたんだけど、
例の木陰につく頃に近所のおじいさんやおばあさんが集まって来ていた。
「僕もここ、座ってもいいですか?」とベンチを指差して仲間に入れてもらう。
「どこから来たの?」って言うのはこの島で何十回も聞かれた決まり文句みたいなもので。
「千葉です」ってこれまた何十回目かの返事をしたら「また遠いところからどうも」ってニコニコしている。

あるおじいさんは「若いのがたくさんくるから森が荒れたりゴミが増えたりする」ってちょっと怒っている。
そう言われたら「す、すみません…」って謝るしかない。^^;
「それであんたがまた宣伝するから」と僕のカメラを指差す。「人がまた増えるんだ」
「すみません、じゃああんまり宣伝とかしない方がいいですかね?」と聞くと
「いや、あんたがいいと思ったんだったら宣伝してくれていい」とちょっと誇らしげに言う。
どっちやねん。(笑)

おばあちゃんはずーっとニコニコしながら「屋久島も世界的になったからねぇ」と言う。
「外国の人もたくさんいますよねー」
そんな会話が20分の間に5回くらい。(笑)

そして「誰と来たの?」って聞かれたので「1人なんですよ」って答えたら「1人は寂しいねぇ…」と同情された。
「いやいやいや、一人もたまにはいいもんですよ」
しかし、なんども「1人は寂しいねぇ…」とつぶやくおばあちゃん。
多分6回くらい言われた。
「う…そうですね…次に来る時はいい人を連れて来ます。」
最後は根負け。(笑)


立ち去る時にお願いして、1枚写真を撮らせてもらった。(上の写真ね)
「写真撮ります」って言っても座ってたままの間隔で集まろうとしてないのがいい感じでしょ?(笑)
端のおじいちゃんは「ワシは裸やからあっちの2人を撮ったらいい」って遠慮してたけど、
黙ってこっそりフレームに入れたった。(笑)




utaちゃんオススメの『一湊珈琲』。
布引きの滝公園の入口にある。
初めて行った日は残念ながら定休日。
別の日に行ったら臨時休業だった。(笑)

ついてないなー。あとは最終日しか来れそうな日ないやん。
行けないままに終わるのかなぁ。

って思ってたんだけど、無事最終日、飛行機に乗る3時間前に行くことができました。

外は普通に古い民家みたいな外観なんだけど、中はちょっとログハウスっぽい内装。
小さい赤ちゃんのいるご夫婦でやってらした。
コーヒーを注文して窓際のテーブルに座る。
テラス席もあって非常に惹かれたんだけど、「今は半端なく暑いですよ」の一言で断念。^^;

コーヒーは濃くて香りがしっかりしてて、おいしかった。
そして水。
びっくりすることにこれ、水道水らしい。
コンビニで売ってるミネラルウォーターと変わらないんですけど!!

って感心しながら水を飲んでたら、常連らしいおっちゃんが入ってきた。
湧き水を汲んできたのでそれでコーヒーを入れてくれ、って言っている。(笑)
その湧き水を一口飲んだお店のご主人が「おいしい!」と驚いている。
「この水、甘いですねー!!」
「こんな水でもよかったらいくらでも汲めるよ。よかったらまた汲んで持ってくるわ」

気になる。めっちゃ気になる。^^;
背中で2人の会話を聞いてたら、ご主人が「試しに飲まれますか?」とグラスを持ってきてくれた。
背中で物欲しげな感じが伝わったらしい。(笑)

一口飲んで驚く。
びっくりするくらい柔らかい。軟水も軟水、って感じがする。
味についてはよくわからなかったんだけど、とても「まぁるい水」だと感じた。
こんな水がそのへんに湧いてるなんて、なんて贅沢な環境!!(涎)

それを機に、常連のおっちゃんと話したり、お店のご夫婦とも話したり。
今回の旅で行ってないオススメのお店をいっぱい教えてもらって、
どうしてももう1回来ないといけなくなってしまった。(笑)

写真が趣味なんですよ、って言ったら、屋久島在住の写真家さんの写真集をたくさん出してもらって。
写真を撮らせてもらおうと思ってライカを取り出したら、ご主人の目が変わった。(笑)
「ライカ、いいですよねー。欲しいんですよ」
「あ、写真お好きなんですか?」
「いや、初心者です。でもカメラの形がいいなぁと思って。(笑)」

わかるわかる。(笑)




そしてなにより、お世話になって民宿のお父さんとお母さん。
この超稼ぎ時に素泊まりで1週間も居座った僕にとてもよくしてくれた。
1週間、ずーっと一番風呂だったし。(笑)

チェックアウトする時に、写真を撮ってもらって。
お二人の写真も撮らせてもらって。

「今度来る時は誰か連れて来てくださいねー。^^」ってニコニコしながら言われてしまった。
はい、できるだけ早く彼女連れて来れるように頑張ります。。。



その時には、今回会った人たちの写真を焼いて届けに行こうと思う。



ということで、屋久島日記シリーズもこれでおしまい。
明日からは島は島でも小豆島に帰ってきます。^^


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